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欠片146 ページ25

ただただひたすらにぼんやりして過ごしていたら、試験終了1時間前を告げるアナウンスがされた

本来ならばクラピカを護るために動くはずだった。しかし気力が沸いてこなかったのだ


“クロロ”が私のことを探している


それだけでどうなってもいいと思った。出会えなかったとしても、死んでしまったとしても、思い出せなかったとしても。“彼”が私を求めていてくれるという事実だけで、胸が詰まる思いだった

集合場所に行くと、そこには道化師がいた


「ひどい顔だ♦」

『そうですか』

「イルミに何か言われたかい?彼はとてもスッキリとした様子だったケド❤」

『疲れただけですよ』


金の瞳がスッと細められる。ああ、蛇に睨まれているようだ


「嘘吐き♠」


首を手で掴まれた。彼が少し力を入れれば、あっけなく私の命は終わる


『いいですよ』

「つまらないなぁ❤」

『この気分のまま死ぬのも悪くない』


彼の手がフードにかけられる。そして、私の顔を暴こうとしたその時だった


「ヒソカ!!貴様、何をやっている」


クラピカが道化師の腕に噛みつくように飛び掛かってきた。その反動で私は離れ、フードを深く被りなおす


「大丈夫!?」


雛鳥が心配そうにこちらを覗き込んできた。そして道化師を睨み付ける


『クラピカ。落ち着いてください』

「ノム!!」

「怖い騎士様がいるから今回はもうやめておこうかな♦」


手をひらひらと振って彼は遠くに行ってしまう


「A、あいつに何もされてないか?」

『大丈夫ですよ』

「でも酷い顔色だ」

『大丈夫ですから』


腕を掴んでくるクラピカを振り払った。クラピカは拳を握りしめ、泣きそうな顔でこちらを見る


「なぜ、敬語を使っているんだ…………」


全くの無意識だった。それを自覚させられると同時に、クラピカという存在が薄れつつあることが分かる

私は彼の肩を抱いて言う


『いつか来る別れに備えて。そう遠くない未来を夢想していてください』


嫌だ、と彼が言いかけたのが分かった。しかしそれを言ってしまったら私に嫌われるとでも思ったのだろうか。口を噤む

言って良かったのに。そうしたら私は「感情的な人間は好まない」と伝えられたのに


『言ったはずですよ。この関係は単なる契約だと。……そこから情が生まれることは、ない』


今のうちに私を嫌ってくれ。そう願いを込めて言葉を吐きだす


顔を上げたクラピカが何故か笑っているのを見て、その痛ましさに頭を悩ませる

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イチゴ(プロフ) - ゆきポンさん» ごめんなさい。今から2週間ほど、学校生活が忙しくなるので更新が遅くなってしまいます (2016年9月9日 20時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - せいちゃんさん» コメント、ありがとうございます!とても励みになります (2016年9月9日 20時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきポン - 続編楽しみです!! 毎日の癒しです~(σ≧▽≦)σ (2016年9月9日 15時) (レス) id: 37851f8854 (このIDを非表示/違反報告)
せいちゃん(プロフ) - 初めてコメントします!ちょっと前から見させてもらってます!!このアプリの中でも1番好きです!!これからも頑張ってください(´˘`*) (2016年9月8日 22時) (レス) id: 88c86e64d1 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - ゆきポンさん» いつもコメントありがとうございます!ちょっと更新してきますね (2016年9月4日 15時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イチゴ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年5月20日 16時

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