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欠片141 ページ19

地面に座り込んだ道化師とは距離を置いて立った


「随分と冷たいじゃないか❤」

『あなたの行動パターンは読めません。よって、何かがあった時にすぐさま対処できる距離をとりました』

「……何もしないよ♠」


何もしない。だって、“何か”をして“誰か”を喪ったことがあるらしいから

そう彼は言った。唐突なことに息を呑む


なぜ、今さら気付くのだ。もっと前に気付けなかったか?それとも気付かないという選択肢はなかったのか


もう壊れた後だというのに。何もかもが消えたはずなのに


『懸命なことですね』


あなたが何もしないことによって、少なくとも「ノムと道化師」の関係は壊れることがない


「取り戻したいと望むことは傲慢かい?」

『……いいえ』

「愛したいと願うことは?」

『……いいえ』

「ボクは救われる?」


唇を噛みしめる。彼への殺人衝動を腕に爪を立てて抑え込んだ


『…………いいえ』


沈黙。静寂。無声

大きく道化師が息を吐きだした。吸って。吐いて。吐いて。吐き出して


「“ノム”」


彼のものではない声が堂々と響き渡った


『闇人形さん』

「今朝はどうも」

『こちらこそ』


いつでも能力は発動できる。道化師の存在が気がかりだが、1対1なら勝てる


「キミがいないクラピカが此処から生きて出れると思う?」

『はい。彼は私があの人に会うまでは生きるでしょう』

「なぜ言い切れる」

『答える理由がありません。また、教えた場合のデメリットが多いです』


お互いにお互いを睨み合った。殺気がさざ波のように広がって空気を震わせる


「よぉーし、オレが一番……あれぇ――――ッ!?」


そんな空気を壊したのがジャポン人だった。おかしいな、といいながら彼は髪がない頭をかく

私は無言でその場に座り込んだ。闇人形はいつの間にか針を顔に刺して変形させている



クラピカ。あなたはきっと再び私の隣に立つだろう



いつの間にか背負わされた運命を使い切るために

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イチゴ(プロフ) - ゆきポンさん» ごめんなさい。今から2週間ほど、学校生活が忙しくなるので更新が遅くなってしまいます (2016年9月9日 20時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - せいちゃんさん» コメント、ありがとうございます!とても励みになります (2016年9月9日 20時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきポン - 続編楽しみです!! 毎日の癒しです~(σ≧▽≦)σ (2016年9月9日 15時) (レス) id: 37851f8854 (このIDを非表示/違反報告)
せいちゃん(プロフ) - 初めてコメントします!ちょっと前から見させてもらってます!!このアプリの中でも1番好きです!!これからも頑張ってください(´˘`*) (2016年9月8日 22時) (レス) id: 88c86e64d1 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - ゆきポンさん» いつもコメントありがとうございます!ちょっと更新してきますね (2016年9月4日 15時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イチゴ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年5月20日 16時

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