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欠片136 ページ13

振り向けなかった。彼の後ろからの拘束を振りほどくのはたやすいが、私にそんな権利はないことは十分に分かっている

私は彼の家族を殺した。それを利用している私が出来るのは、彼の望む行動をすることだ


本当ならば全て洗いざらい話して重荷から解放されたい。苦しむクラピカを見捨ててヒソカの元へ行き、正体を明かしてしまいたい


『私はいざとなったら先程のように理性を捨てて闘うだろう。その時は止めないでくれ。あなたを殺したくはない』

「殺さないだろう?」


彼の顔が見えないことが救いだ。悲し気に告げられる声音だけで何かが削られるような気持ちになる


「だってあなたにとって私は“価値”があるのだから」


その価値はいつかなくなることに目を向けているか?私は絶対にキミを捨てる

背中から温もりが消えた。それを合図に私は道化師に向かって頭を下げる


『お世話になりました』


笑顔を浮かべている道化師がこちらに歩いてきて耳元で囁く


「か弱い女の子を助けるのは当然さ❤」


唇から漏れた吐息が神経を逆撫でする。自我をなくしたときに私は何をやらかしたのだろう


「キミの喘ぎ声にボクは興奮しちゃったよ♦」


叫び声、という意味だろうか。記憶がないので何も言えない

彼は私がAだということをほぼ確信しているのだろう。それでも記憶が戻ってないので言い出していないだけだ


『……助けてくれたことには感謝しています。しかし』


私の言葉を遮ってクラピカが道化師と私を離れさせた。そして彼を睨み付けながら告げる


「今後は彼女に近づかないでくれ」

「怖い者知らずだね♠非力な騎士(ナイト)よりも彼女の方が強いのに♦」


反論できないことに歯噛みする。Aよりもこの男よりも強くならなければ


『……もういいでしょう。行くぞ、クラピカ』


1人、颯爽とその場を立ち去るAの背中を追いかける。何度も見ている光景だ

背中しか見えない。その狭くて小さな背中に追いつくことすら出来ない



彼女の流れる黒髪に手を伸ばす

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イチゴ(プロフ) - ゆきポンさん» ごめんなさい。今から2週間ほど、学校生活が忙しくなるので更新が遅くなってしまいます (2016年9月9日 20時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - せいちゃんさん» コメント、ありがとうございます!とても励みになります (2016年9月9日 20時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきポン - 続編楽しみです!! 毎日の癒しです~(σ≧▽≦)σ (2016年9月9日 15時) (レス) id: 37851f8854 (このIDを非表示/違反報告)
せいちゃん(プロフ) - 初めてコメントします!ちょっと前から見させてもらってます!!このアプリの中でも1番好きです!!これからも頑張ってください(´˘`*) (2016年9月8日 22時) (レス) id: 88c86e64d1 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - ゆきポンさん» いつもコメントありがとうございます!ちょっと更新してきますね (2016年9月4日 15時) (レス) id: ecd6285e40 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:イチゴ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2016年5月20日 16時

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