欺瞞 ページ32
「……A？」
朝、起きたらAがいなかった。飛び起きてから周りを見渡す
やってしまった。いくら流星街に比べて安心して眠れる環境だとはいえ、油断しすぎてしまった
部屋の外に出てみれば、そこには見慣れないおかっぱ頭がいた
「おはようございます……」
「お前は？」
「あなたの仲間です……やはり覚えていないのですね」
「ああ、すまない。そういえば、Aを見なかったか？」
「Aなら森の方に……」
それを聞いて鳥肌が立った
――――あたしとクロロをこの旅館の敷地から出さないで
一瞬だけ元に戻ったAがそう言っていたことを思い出す。やけに切羽詰まった、声
まるで命に関わるような焦り方
「それをどこで見た！？」
「案内します……」
そう言った奴に素直に着いていくことにした。見慣れない布を纏っているようだが、この宿で配っている服に造形は似ている
鬱蒼と木々が茂る森の中に入ってゆく。そこでオレはようやくコイツの名前を聞いていないことに気が付いた
「お前、名前は？」
「カルト……カルト＝ゾルディック」
――――あと、カルトには気を付けて。あれは絶対に女将が何かした
カルト。あの口調から、Aはカルトを警戒していた。もちろん、悪い意味で
歩調を緩め、徐々に奴との距離を開けてゆく。それに気が付いたのか、カルトはゆっくりと振り返った
「……団長？」
「Aは、こんな奥にまで入っていったのか」
「はい。……ほら、あそこで木が途切れているでしょう？どうやら、旅館の敷地の外に出たらしいんです……」
“だから、あなたも出て探しましょう？”
その言葉で確信を得る。コイツは、オレを殺そうとしているのだと
懐にしまってあるナイフを取り出して構えた。それを見てカルトはうっすらと笑みを浮かべる
「ねぇ、団長。ボクは透明人間なんです」
「何を言って……」
「ボクのことを誰も見てくれない。ボクは、強いのに。役に立つのに。だから、ボクはあなたを殺す。そうしたらキル兄さまはきっとボクのことを見てくれる！」
明らかに正気ではない。よくカルトのことを見てみると、目の下に濃い隈ができていた
「お前は女将に操られているんだ！」
とりあえずAの言っていたことをそのまま言ってみた
「お母さまを悪く言うなっ！！」
しかしそれは逆効果だったらしく、彼は激昂してしまう
彼の周りに舞っている紙切れが陽の光に反射して煌めいていた
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違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RT - とても面白いです！三年も書いていたんですね！このシリーズ大好きです！ (2018年9月3日 23時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
rua - ちょ〜〜面白いです。 また新しい作品楽しみにしてます。 応援してます！ (2016年10月28日 15時) (レス) id: ce0d20423e (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - アスカさん» とりあえずは完結させようと思っていたところまで物語を書き、そこから繋げて行こうと思っています (2016年4月25日 18時) (レス) id: e736e9b02c (このIDを非表示/違反報告)
アスカ - 夢主vs女が楽しみすぎる！！ところで、本誌の番外編と言うのは予定通り作品を完結させてから別枠で書くのか、作品に組み込ませて書くのか決まってましたら教えていただけますか？ (2016年4月25日 0時) (レス) id: 62f7d68aec (このIDを非表示/違反報告)
藍琉 - はははっw某戦略シュミレーションゲームのうちの初期刀と同じかーwそういやちゃんとした意味は調べたことないなー…まじかよ(何個か特徴当てはまる)…かもしれないです。カルト…！！(ノД`)°。 (2016年4月20日 23時) (レス) id: 97ccf20f00 (このIDを非表示/違反報告)
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