乖離しろ ページ28
「情けないことだ。これが自分なのかと思うと頭痛がする」
どこかで見た場所にオレはいた。流星街奈のは明白だが、此処がどこかは分からない
瓦礫の上に男が座っていた。そいつは眉根を顰めてこちらを見ている
「……ああ、オレか」
オレはお前を知らない。でも、オレをそんな心底 軽蔑したような。憎悪しているような瞳で見つめてくるのは
瞳の中に燃え盛る青い炎を持っているのは。オレしかいないだろう？
「Aと同じように、“元の”オレがオレの中にいるのか」
「ああ。ったく、お前は何をやっている。感情で言葉を吐いてAを傷つけるな」
「Aのことを想ってのことだ」
「本当にそうなら、ずっと傍にいてやれ」
次の瞬間、“そいつ”は信じられないようなことを言った
「あいつもオレも、もう離れられない。アイツはオレだ」
「何を言い出すんだ、くだらない」
「そろそろ認めてもいい時期だ。あいつはオレが創った。思考回路も、美意識も、過剰なほどの自分への無関心も。全て、オレが」
「Aのことを何だと思っている！ふざけるな、オレはお前になどならない」
そもそも“創った”という言い方が気に入らない。育てた、なら分かるが
Aをまるで人形のように言うこの男が許せなかった。オレは、こんなものになるのか
だったら元になど戻らなくていい。Aもオレも“また”育っていけば、オレはこれにならなくて済む
このオレを殺してしまえばいい。そうすれば、永久に
それに、オレがオレに会えたのだからAも同じはずだ。Aも元のAを殺してしまえば、オレ達は
「永久に同じ時間を生きていける、か。本当にガキの考えることだな」
「なぜ、それを」
「お前はオレなんだ。考えていることなど筒抜けになっている。そのくらいも思いつかなかったのか」
明らかに相手はオレを嘲笑していた。それが妙にムカついて、人間というのはこうも捻くれるのか
「わかったらお前は消えろ。お前にAは任せられない」
「断る。この身体はオレのものだ」
そこでふと思う。大人のオレはなぜオレに手を出してこない？
まさか、主導権はあくまでもオレにあるというのか
瓦礫が崩れてまっさらになって、その地面から鎖が生えてくるのをイメージする。その鎖はアイツの手首に巻き付いて離れなくなる
「……クソ」
「……ははっ、やっぱりだ」
イメージした通りになったのを見てクロロは満足げに嗤った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RT - とても面白いです！三年も書いていたんですね！このシリーズ大好きです！ (2018年9月3日 23時) (
レス) id: da0e7ea281 (このIDを非表示/違反報告)
rua - ちょ〜〜面白いです。 また新しい作品楽しみにしてます。 応援してます！ (2016年10月28日 15時) (レス) id: ce0d20423e (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - アスカさん» とりあえずは完結させようと思っていたところまで物語を書き、そこから繋げて行こうと思っています (2016年4月25日 18時) (レス) id: e736e9b02c (このIDを非表示/違反報告)
アスカ - 夢主vs女が楽しみすぎる！！ところで、本誌の番外編と言うのは予定通り作品を完結させてから別枠で書くのか、作品に組み込ませて書くのか決まってましたら教えていただけますか？ (2016年4月25日 0時) (レス) id: 62f7d68aec (このIDを非表示/違反報告)
藍琉 - はははっw某戦略シュミレーションゲームのうちの初期刀と同じかーwそういやちゃんとした意味は調べたことないなー…まじかよ(何個か特徴当てはまる)…かもしれないです。カルト…！！(ノД`)°。 (2016年4月20日 23時) (レス) id: 97ccf20f00 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
