原罪

九つの罪 ページ14

数分後


広間に四人の男女が集まる

その中には昨日見た、“優しそうな青年”と“ナイスボディな女の人”もいた


「おや？ミツキとヒナタはどうしたんだい？」

「あの２人ならもう寝ちゃってたよ〜ん」

「それならしょうがないね」


ただいまの時刻は９時４３分


この時刻に寝るとは健康的極まりない

もしかしておじいさんとおばあさんだったりするのだろうか……と考えを巡らせる


「さぁ、各々 自己紹介をしてくれ」

「んじゃあたしから〜！！」


元気よく手をあげたのはツインテールの女の子だ

輝いて見える笑みを顔に浮かべながらあたしに向かって敬礼もどきをする


「ボクの名前はアムだよ。罪は“暴食”」

『罪？』

「おっと、説明を忘れていたね」


朝霧さんはこの組織について教えてくれた。それを簡潔にまとめよう



Ｓ級アブノーマルの幹部たちはそれぞれの“罪”を背負っている

七つの大罪と八つの枢要罪。それらをまとめて“原罪”と呼んでいるらしいのだ



「ボクは八つの枢要罪である“虚飾”だ」

『……ご説明、ありがとうございます。でも、２人足りませんね』


傲慢

嫉妬

暴食

色欲

憤怒

怠惰

強欲

虚飾

憂鬱


ここにいる５人はおそらく全員が幹部だ。寝てしまっている２人も幹部だとすると２人足りない計算となる


「……これは後で伝えようと思ったんだけどな」


困ったような笑みを浮かべて朝霧さんは告げる


「“怠惰”はキミだよ、阿倍野A」

『はぁ！？』


思わず声を荒げてしまった。混乱が再び脳内でパレードを始める


頭を抱えるAを見て集まった幹部たちは苦笑を浮かべた

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