�� ページ30
「そういえばキミは弟くんをどうするつもりなんだい？イルミは連れ帰る気まんまんだけど♡」
『さすがにあいつのように問答無用で連れ帰りはしない。“なぜ家出をしたのか？”それがまず重要だ』
「説得力があるね♠」
嫌味か、と言いながら彼女はボクを睨みつけた。まさか！とボクはにこりと笑ってみせる。
左手の中指と人差し指の間に挟んだトランプで襲い掛かってくる囚人を切りつければ血飛沫と共に彼の命ははじけ飛ぶ。噴き出したその血液にAは顔を顰めた。
『気をつけろ！いいか？血というのは体液だ。しかし涙も膿も尿も唾液も同じく体液なのだ！私には汚物を愛する趣味はないぞ』
「ごめんね♦」
と言いつつ再び囚人を斬り殺す。確かに尿も涙も血も同じかもしれないけれどボクは血が好きなんだ
『私の言うことを聞かぬとはなんという不敬！キミは碌な死に方をしないぞ』
「それを言うならAも危なそうだけど♠」
『何を言うのだ！神は死なぬ。私を殺したかったら私をまず人間にすることだな』
「じゃあイルミ殺しちゃおっかな♡」
――――殺気。殺意。
明確な、ボクだけにしか向けられていないそれはいとも簡単に残りの囚人全員を気絶させてしまった。殺す対象はいなくなってしまったが、それでもいい。今はただひたすらに“気持ちがいい”。
『一度だけ慈悲をくれてやろう。神は寛大である』
真っ白な、日にも当たったことがなさそうな。雪にほんの少しだけ色付けをしただけのような色をした肌に包まれた腕が伸びてきて的確にボクの心臓がある部分の上に掌が置かれる。
『忘れるな。貴様は一度私の能力を見ているだろう。この距離ならば一秒とかからず私は貴様を殺せる』
人間の手とは思えないくらいに温度を持たない掌からオーラがじわりと滲んでくるのが分かった。昔この能力を食らったときはバンジーガム越しだったのに体の自由を失った。なのにこんなゼロ距離であれを食らったら体が言うことをきかない、という程度では済まされないだろう。
晴天から降る俄雨(キツネノヨメイリ)。自分のオーラを他者に送り込んで神経に作用し、体の自由を奪う能力。
右手を動かしたはずなのに左足が動く。視界の色彩は毒々しくなり、音は低音しか拾えない。
明らかにオーラが脳に作用する能力だった。だからこそ、今回はこれ以上煽ると廃人にされかねない。
「許して、神さま♡」
慣れた作り笑いを浮かべれば、彼女は癖である鼻を鳴らす仕草をした。
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イチゴ(占ツク引退済み、現在はフォレスト＋）(プロフ) - 伊波トウナさん» ありがとうございます。現在はフォレストプラスというところで連載をしており、私のプロフのホームページ欄にURLがございますので、そちらを参照していただければ幸いです。 (2023年4月26日 15時) (
レス) id: a1afa45e22 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - すごく面白くて続きを探そうと思ったのですが、サイトの方で作品が見つかりません。検索ワードはどのようにしたら続きが出てくるのでしょうか？ (2023年4月18日 19時) (レス) @page38 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
みょみょ(プロフ) - 最高 (2022年8月29日 16時) (レス) @page38 id: e964d8a7a2 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - いえいえ、事前にお知らせいただいたとおり書いてくださったのでとても嬉しいです。実を言うなら題名で読むことを即決したらイチゴさんだったんです。(前もこんなだったような……) 夢主もイルミも変わらずで安心感すら抱いてます(笑)更新、楽しみに待ってますね。 (2019年3月6日 22時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - 南雲藍琉さん» いつもありがとうございます！すぐに反応してくださって感動しています。長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした (2019年3月3日 23時) (レス) id: 4095736d8a (このIDを非表示/違反報告)
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