END UP ！ ページ29
『キルアかイルミを連れて来い！』
幼子が駄々を捏ねる時のようにAは片足で地団駄を踏んだ。その様子を愉しみながら眺めていると恨めしそうな視線が寄越される。
第三試験は地上何百回あるかも分からぬ塔のてっぺんから地上まで降りること。床に仕掛けられた隠し扉から中に入ればそこには小さなあかりが灯されているだけの狭い小部屋があった。
部屋の隅には壁に凭れかかっている人間が一人。雑魚ならば邪魔なだけだし殺したいな、と思っていた矢先のことであった。
『ふん！何を惚けている。表情筋を弛緩させる暇があるなら脈動でも止めていろ！』
そう、恐らくこれから試験を共にするのであろう相棒はA＝ゾルディックであった。イルミの双子であり、ゾルディック家長女。後者の肩書きは本人は気に入らないらしく、口にした途端に三十分はゾルディック家がどれほどくだらないかに聞かされるハメになるので言うことはないが。
「よろしくね♡」
ウインクを飛ばせば手で払われてしまった。
《えー、コホン。聞こえているかね？》
天井に取り付けられたスピーカーから音が振ってきた。音質が悪く、ところどころにノイズが走っている。
《キミ達にはまずこれをつけて繋がってもらおう》
扉に備え付けられていた引き出しが自動で開く。そこには何の変哲もない手錠が置いてあった。
《キミ達に立ちはだかるのは【運命共同の道】。ちなみにその手錠が破壊もしくはどちらかの手首から外された時点で試験失格とする》
では、健闘を祈ろう。と感情の篭っていない声音を最後にしてスピーカーは切れた。閉ざされていた扉は低い音を立てながら開く。Aは指先で手錠をくるくると回していたが、それを見るや否や自分の右手首に手錠を嵌めた。
右腕を差し出せば彼女はボクの腕に手錠を付ける。
「そういうプレイみたいで興奮するね♡」
『
「そういうワケで言ったんじゃないんだけどね♢イルミは本当にキミのことが大好きらしい♧」
『アレは“好きなもの以外には一切興味が無いが好きなものに対しては本気になれる”の究極型だ。極端型とも言っていい。どちらにせよ暴走したら止めるのが大変なんだ、わざと怒らせるようなことをしてみろ』
蛇のように細められた瞳がこちらを穿つ。
『閻魔の如くその舌を引き抜いてくれる』
それいいね、と言えば足を思いっきり踏まれた。
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イチゴ(占ツク引退済み、現在はフォレスト＋）(プロフ) - 伊波トウナさん» ありがとうございます。現在はフォレストプラスというところで連載をしており、私のプロフのホームページ欄にURLがございますので、そちらを参照していただければ幸いです。 (2023年4月26日 15時) (
レス) id: a1afa45e22 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - すごく面白くて続きを探そうと思ったのですが、サイトの方で作品が見つかりません。検索ワードはどのようにしたら続きが出てくるのでしょうか？ (2023年4月18日 19時) (レス) @page38 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
みょみょ(プロフ) - 最高 (2022年8月29日 16時) (レス) @page38 id: e964d8a7a2 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - いえいえ、事前にお知らせいただいたとおり書いてくださったのでとても嬉しいです。実を言うなら題名で読むことを即決したらイチゴさんだったんです。(前もこんなだったような……) 夢主もイルミも変わらずで安心感すら抱いてます(笑)更新、楽しみに待ってますね。 (2019年3月6日 22時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - 南雲藍琉さん» いつもありがとうございます！すぐに反応してくださって感動しています。長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした (2019年3月3日 23時) (レス) id: 4095736d8a (このIDを非表示/違反報告)
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