童の寸劇 ページ22
「すまん、すぐに出ていかせる」
「まあ待て。少しくらいその子と話をしてもいいじゃろ？」
『爺！はじめましてだな。私はAだ！神でもある』
やはり面白い子だなあと頬を緩めた。
「ネテロじゃよ、お嬢ちゃん」
『ネテロの爺はなんでこんな所に来ているのだ？ここには木と草と馬鹿な獣と阿呆っぽい屋敷しかないぞ！』
確かに、と納得しかけてさらに少女に興味が湧く。なるほど。ゾルディック嫌いのゾルディックの子とは珍しい。
『あ、分かったぞ！ネテロの爺はじいさまと友達なのだな！』
「わしと同じくらいに見えるじゃろうがな、そのじじいはわしのじじいと同い年じゃぞ」
『マハ大爺さまとか！？』
マハ大爺さまはあんなに萎んだのに……と呟くAの頭に拳骨が落とされた。が、それをすんでのところで避けてAは机の上に飛び乗る。
本気でなかったとはいえ、ゼノの拳を避けるとは。実力もこの年で十分にあるようだと感心した。
『なるほど！ではマハ大爺さまとじいさまの友達か！』
「暗殺者は友達など持たん」
「A、ああいうのを近頃の若者はツンデレと呼んでいるのじゃぞ。一つ勉強になったな」
『では次からツンデレさまと呼ぼう！』
「つ、と発音した瞬間に制裁を加えてやるわい」
何が楽しくてこんな歳でツンデレ呼ばわりされなければいけないのだ、という顔をゼノはしている。
「そして。わしもそこまで甘くはないぞ。ほれ、暖炉から拷問室に逆戻りせい」
『じいさまの言うことでも嫌だ！』
「ならわしはもうお前の修行は見ん」
ぐっ、とことばに詰まったAは渋々と暖炉に向かって歩き出す。血も涙もないゾルディック家当主も孫ができると人が変わるのか、と些か驚いた。
しかし、心ばかりの孫への甘さも扉を開いた人物によって台無しにされたのだが。
『げっ、親父殿』
「おお、ゼノの倅か！大きくなったのう」
筋骨隆々としている体格は似ていないが良く切れるナイフのような視線、そして日に透かしたサファイアを思い出させるような瞳は血を感じさせるものだ。
「来い」
『神に命令するな』
シルバから殺気が漏れる。幼子にその濃さの殺気は毒だろうと気の毒に思いつつ、Aを見るとこれまた驚いたことに眉根を寄せて不愉快そうにしているだけで耐えているではないか。
使える、ではなく、使ってみたい、と思った。
「ゼノの倅」
「……なんだ」
「Aをちょっと借りるぞ」
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イチゴ(占ツク引退済み、現在はフォレスト＋）(プロフ) - 伊波トウナさん» ありがとうございます。現在はフォレストプラスというところで連載をしており、私のプロフのホームページ欄にURLがございますので、そちらを参照していただければ幸いです。 (2023年4月26日 15時) (
レス) id: a1afa45e22 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - すごく面白くて続きを探そうと思ったのですが、サイトの方で作品が見つかりません。検索ワードはどのようにしたら続きが出てくるのでしょうか？ (2023年4月18日 19時) (レス) @page38 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
みょみょ(プロフ) - 最高 (2022年8月29日 16時) (レス) @page38 id: e964d8a7a2 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - いえいえ、事前にお知らせいただいたとおり書いてくださったのでとても嬉しいです。実を言うなら題名で読むことを即決したらイチゴさんだったんです。(前もこんなだったような……) 夢主もイルミも変わらずで安心感すら抱いてます(笑)更新、楽しみに待ってますね。 (2019年3月6日 22時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - 南雲藍琉さん» いつもありがとうございます！すぐに反応してくださって感動しています。長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした (2019年3月3日 23時) (レス) id: 4095736d8a (このIDを非表示/違反報告)
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