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その後。男達は乗組員によって哀れにも気絶したまま強制下船させられていた。むさ苦しい彼らがいなくなったことで船内は少々広くなったが如何せん緊張の糸がまだ微かに張られている。
しかしやはりと言うべきか、騒ぎの中心の彼女はどこ吹く風。つまらぬ！と急に子供の様に叫んだかと思えば急にぐるりとこちらを向いた。
『キミ！』
「……何でしょう」
『うむ、やはり見たところ一番キミが人間らしい。どうだ、ここはつまらぬ。非常に楽しくない！だからゲームをしよう』
「お断りします」
こんな人間と関わりでもしたらどんな面倒事になるか分からない。オレには仲間の仲間の目を取り戻すという使命もある。余計なことはしていられないのだ。
『なるほど！引き受けてくれるか。賭けの内容は簡単だ。互いに互いを船から降りられるか否か予想する』
「受けるとは一言も言っていない」
『キミは私の問いかけに返事をした。知らないのか？声という音声がどんな意味を本来持っていたとしても私への返事という条件の前では“イエス”ただこれだけの意味となるのだ！』
言っていることが滅茶苦茶だ。こんなに筋の通っていないものを聞いたのは初めてなくらいだ。
『そうだな……キミが賭けに勝ったら何でもあげよう。金、地位、情報……何でも良い』
「その情報が正確かどうかは」
『おや、悲しいな。蜘蛛の足は八本ではないとキミに教えたのは私なのに』
じわり、と漏れた感情が瞳に注がれかける感覚がして顔を伏せた。
『ああ、この部屋は狭い！おまけに美しくない男どもが吐いた息が充満している。息苦しい！おい、そこのキミ。今から三十秒くらい息を止めていたまえ。ああ、そうだ。……止めている顔も不細工だな！仕方ない、外に出るか』
オレを挑発するかのように彼女はこちらを見やって右の口角をあげた。良いだろう、と腹を決めてその後についていく。
甲板は船内とは一変し、爽やかな潮風が通り抜けている。その風に乗って飛んでいる海鳥が時折鳴いては海の中に飛び込んで小魚をついばんでいた。
ここにもガラの悪そうな男はちらほらと見受けられるが彼女の噂が広まっているのか、誰も喧嘩を売ってこようとはしない。
『ああ、そうだ！礼儀を欠いてしまっていたな』
振り向いた彼女の表情は太陽の逆光のせいで窺い知れない。
『私の名はA！』
ただ、笑ったせいで見えたその白い歯だけが妙に印象についた。
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イチゴ(占ツク引退済み、現在はフォレスト＋）(プロフ) - 伊波トウナさん» ありがとうございます。現在はフォレストプラスというところで連載をしており、私のプロフのホームページ欄にURLがございますので、そちらを参照していただければ幸いです。 (2023年4月26日 15時) (
レス) id: a1afa45e22 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - すごく面白くて続きを探そうと思ったのですが、サイトの方で作品が見つかりません。検索ワードはどのようにしたら続きが出てくるのでしょうか？ (2023年4月18日 19時) (レス) @page38 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
みょみょ(プロフ) - 最高 (2022年8月29日 16時) (レス) @page38 id: e964d8a7a2 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - いえいえ、事前にお知らせいただいたとおり書いてくださったのでとても嬉しいです。実を言うなら題名で読むことを即決したらイチゴさんだったんです。(前もこんなだったような……) 夢主もイルミも変わらずで安心感すら抱いてます(笑)更新、楽しみに待ってますね。 (2019年3月6日 22時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - 南雲藍琉さん» いつもありがとうございます！すぐに反応してくださって感動しています。長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした (2019年3月3日 23時) (レス) id: 4095736d8a (このIDを非表示/違反報告)
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