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空中で縄を素早く振り回した時に出るような特有の音が響いた。それまで生きていた人間は断片となり、重力に従って地に落ちる。
ネテロの爺さんからボールが取れなくて苛立ちが募っていた。だからたまたま通りかかった彼らを殺した。少しすっきりした。
「……姉貴、出て来いよ」
『おや！さすがに気がついていたか。腕を上げたな』
「最後に会ってから何年経ったと思ってんだよ」
天空闘技場で二年過ごして家に戻ってきたら姉貴が家出していた。しかも家出騒ぎがあったのはちょうどオレが天空闘技場に入れられた時だと言う。親父にしてやられたな、と爪を噛んだのはよく覚えている。
姉貴は時折ふらっと気が向いた時に帰ってきてはいるようだったがタイミングが尽く悪く、オレは姉貴に会えずじまいであった。少し寂しくなったのも苛立ったのも仕方の無いことだろう。
姉貴はよく訓練に疲れたオレにチョコロボくんをくれたりして息抜きをさせてくれた。それが無くなっただけでストレスは溜まったし、姉貴が長期帰ってこない時なんかは何よりもイルミが怖かった。
『自由になると思ったよりやりたいことが出てきてな。それをやっているとついあんな山中にある陰気な屋敷のことなどは忘れてしまうのよ』
「家族なのに」
『私がいつ家族を忘れたと言った。私が忘れるのは忌々しいゾルディックだけだ』
ゾルディックと家族。そこにどれほどの差があるというのだろう。産まれてから暗殺者として育てられたオレ達とゾルディックは切り離せるものなのだろうか。
無理だ、とすぐに思う。だってオレは殺しが出来るのだ。何の躊躇いもなく、無感情に。
『キル』
「何だよ」
『お前の実力ならばこの程度の試験、簡単に最終選考まで残るだろう』
姉貴は器用に血溜りを避けて通り、オレの前に立った。
『その時にお前は問われる。“なぜ家出した？”と。その答え、よくよく考えておけ』
「……そんなの」
殺しが嫌になったからに決まっている。しかし姉貴の立てられた人差し指が唇に当てられ、オレが紡ごうとしていた言葉は封じられた。
『その答えを聞くのは今ではないのでな』
では、とA姉は手のひらを振ってオレを通り過ぎていった。相変わらず勝手だな、と呆れなのか安堵なのか分からない感情を抱えたまま歩き出す。
さて、オレも寝よっかな。
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イチゴ(占ツク引退済み、現在はフォレスト＋）(プロフ) - 伊波トウナさん» ありがとうございます。現在はフォレストプラスというところで連載をしており、私のプロフのホームページ欄にURLがございますので、そちらを参照していただければ幸いです。 (2023年4月26日 15時) (
レス) id: a1afa45e22 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - すごく面白くて続きを探そうと思ったのですが、サイトの方で作品が見つかりません。検索ワードはどのようにしたら続きが出てくるのでしょうか？ (2023年4月18日 19時) (レス) @page38 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
みょみょ(プロフ) - 最高 (2022年8月29日 16時) (レス) @page38 id: e964d8a7a2 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - いえいえ、事前にお知らせいただいたとおり書いてくださったのでとても嬉しいです。実を言うなら題名で読むことを即決したらイチゴさんだったんです。(前もこんなだったような……) 夢主もイルミも変わらずで安心感すら抱いてます(笑)更新、楽しみに待ってますね。 (2019年3月6日 22時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - 南雲藍琉さん» いつもありがとうございます！すぐに反応してくださって感動しています。長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした (2019年3月3日 23時) (レス) id: 4095736d8a (このIDを非表示/違反報告)
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