COME UP！ ページ18
『神たる私が給仕を私以外の為にやるなど君がゴミを口にするよりも珍しいことなのだぞ！』
机を手のひらで叩く音がして一斉にそちらに注目が集まった。オレも、と野次馬精神で背伸びをすると案の定そこにはバカ姉貴がいる。
どうやらあのメンチとかいう試験官に自分の作ったものを不合格とされて不服らしい。当たり前だ、元々試験という「上から判断されること」がとても嫌いなのだ。それに耐えて試験を受けているだけで奇跡のようなものなのに不合格とされたらそりゃあもう何か言わないと溜飲が下がらないだろう。
「不合格は不合格よ！それにアンタの作ったものはまあそこそこに食えるわ」
『ならば何故』
「ヒントに沿ってないのよ！あたしが見たかったのは知識じゃなくて発想力。でもね、肉を使った寿司なんて聞いたこともないわよ！」
『はっ、既成概念に囚われたつまらん考えだな』
「煽っても無駄よ。駄目なものは駄目！」
『君のような無能が試験官な時点でハンター試験もたかが知れている！こちらから願い下げだ。その腐った舌でこれからも勘違いしたまま上だと錯覚しているその位置で無様にもふんぞり返っているがいい』
メンチが舌打ちを一つ打った。そして醸し出される空気が急変したのが分かる。
殺気、とまでは言わないが明確な敵意。そして肌をピリピリと刺激する“何か”。そう、これはイルミが出す嫌な感じによく似ている。
『……いいだろう。やるか？』
Aはそう言った。こちらからは後ろ姿しか見えないが、きっと不敵に笑っているに違いない。
と、一食触発の雰囲気になってしまった時。
机が砕ける音がした。それまでの緊張した空気は雲散霧消する。何事だとそちらに視線を移すと大柄な金髪を短く結んだ男が額に青筋を立てている。
「そいつをやるのはオレだ」
確か名前は……そうだ、トードーだ。トンパとかいうおっさんが紹介した人間の一人。
だがガタイがいいだけで実力はAの足元にも及ばないだろう。下手をしたらAの立っている地面にすら劣るかもしれない。
『おや、大きなカメムシが鳴いている。ああ、臭そうだからこっちには来ないでくれ』
男の血管が切れた音が幻聴として聞こえてきた。試験に落とされたことによってただでさえ苛立っていたのにその導火線にチャッカマンで勢いの良い火をつけられたのだから仕方の無いことではあったが。
雄叫びをあげながら殺意を剥き出しにしてAに歯向かった。
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イチゴ(占ツク引退済み、現在はフォレスト＋）(プロフ) - 伊波トウナさん» ありがとうございます。現在はフォレストプラスというところで連載をしており、私のプロフのホームページ欄にURLがございますので、そちらを参照していただければ幸いです。 (2023年4月26日 15時) (
レス) id: a1afa45e22 (このIDを非表示/違反報告)
伊波トウナ(プロフ) - すごく面白くて続きを探そうと思ったのですが、サイトの方で作品が見つかりません。検索ワードはどのようにしたら続きが出てくるのでしょうか？ (2023年4月18日 19時) (レス) @page38 id: ce08f5279c (このIDを非表示/違反報告)
みょみょ(プロフ) - 最高 (2022年8月29日 16時) (レス) @page38 id: e964d8a7a2 (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - いえいえ、事前にお知らせいただいたとおり書いてくださったのでとても嬉しいです。実を言うなら題名で読むことを即決したらイチゴさんだったんです。(前もこんなだったような……) 夢主もイルミも変わらずで安心感すら抱いてます(笑)更新、楽しみに待ってますね。 (2019年3月6日 22時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
イチゴ(プロフ) - 南雲藍琉さん» いつもありがとうございます！すぐに反応してくださって感動しています。長らくお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした (2019年3月3日 23時) (レス) id: 4095736d8a (このIDを非表示/違反報告)
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