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「……反応が消えたな。罠か？」
『いや、奴ら墜落したぞ！』
無謀にも飛行中のヘリのドアを開け、身を乗り出したAがそう言った。吹き込む突風で機体が大きく傾く。
「閉めろ馬鹿」
『しかしな、フェイタン。本当に墜落してるんだ！ほら！』
遠くの方を示した指先を辿れば、確かに大樹の枝に真正面からぶつかって墜ちていくヘリが見えた。数秒後に爆発と思われる轟音とそれに伴う炎、そして煙が上がる。
あわよくば中にいたはずのあの二人は死んでいてくれると楽なのだが、きっと空中で脱出してしまっただろう。
「ヘリの運転に慣れていなかったのか？」
『そんなはずはない。ゾルディックではありとあらゆる教養を叩き込まれるからな。ヘリの操縦も例外ではないのだ』
「なんでもいいよ。奴ら馬鹿やらかしただけね。ワタシたち今のうちに遠くに行く。それだけ」
「それもそうか。あと、そろそろドアを閉めてくれ。オレたちも墜落するぞ」
その言葉を聞いて速やかにドアを閉める。風が入らなくなったことによって機体はまた安定した。
『クロロ、燃料的にはどこまで飛べる？』
「着陸予定よりもう一つ遠くのラフィエト空港くらいだ」
『じゃあそこで降りろ。奴ら、次はきっとババアのツボネを使ってくる。前回は操縦手がアマネだったよかったが、今回はイルミ自ら舵を取る。一緒にいたあのけったいなピエロ男もオーラ補給するはずだ！』
「陸に降りてどうするね。またバイクに化けられるよ」
『知らないか？ラフィエトの街を』
別に街などに興味はない。観光地を潰したことは幾度となくあるが、観光自体が目的だったことは一度もないからだ。
『通称“小人の迷路街”。あの街ではバイクでさえ通れないような細い道しかないんだ。それ故に異常にがたいのいい者も入れぬ。ツボネ対策になるんだ！』
「ああ、聞いたことがあると思ったらあそこか。元々そこには細身になる遺伝子を持つセル語系ルリエト族がいて、屈強な外敵対策にそんな街の構造にしたんだったか」
『結局外堀から徐々に壊されて今の街は８００年前の三分の一でしかないらしいが、３週間身を隠すのが可能なくらいには広い』
ならばあのピエロ男は一苦労しそうだ、と説明を聞いてて思う。袖から覗く腕は十分すぎるほどに筋肉がついていた。
『フェイタン！君、ラフィエトに住んだらいい！』
「足斬てやるからお前が住むといいね」
ラフィエトに着くまでに一悶着あったのは言うまでもない。
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だいふくさん(プロフ) - 展開、夢主ちゃんの念能力の設定とても凝っていて凄いなと思いました。クロロの頭目らしい余裕ある思考や振る舞い、フェイタンの少し不器用なところがたまらんです。イチゴさんの文章がとても好きです（語彙力無くて上手く表せないのですが）。これからも応援しています (2019年1月31日 21時) (
レス) id: e941665527 (このIDを非表示/違反報告)
コンパイルエラー(プロフ) - 続きが早く読みたい！ (2019年1月21日 14時) (レス) id: 8e7827f170 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 楽しみに待ってます！ (2018年10月21日 19時) (レス) id: 2f8f38bf2c (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - 続編、それも原作沿いとわかり、狂喜乱舞しております。主の性格も、回りとの関係性も大好きなのでとても嬉しいです。3月４月？勿論待ちますとも。イルミとクロロとの会話でニヤニヤしました。 (2018年10月7日 19時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん(プロフ) - 復帰楽しみに待ってます。イチゴさんの作品は全部好きで読ませてもらってます。この作品も大好きです。続きが読める日を楽しみに待ってます！ (2018年10月7日 14時) (レス) id: 2f4db1a1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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