�� ページ29
「パパにオレが殺される！」
「大丈夫。特別にオレが庇ってあげるから。ね？」
「でも」
「ね？」
イル兄の首が真横に９０度折れる。正直真顔でそんなことをされるとかなり怖いのだが、それ以上にイエスと答えないと殺すと暗に殺気が物語っていた。
「……ヤラセテイタダキマス」
「あー良かった。ミルキはいい子だね」
『さすが我らの弟だ！こんなに姉思いとは感動したぞ！』
白々しいにも程がある！わっはっは、と肩を組んで笑っている双子は本当にタチが悪い。
けれども、この話だと。
「じゃあ、姉貴は姉貴のままか？」
『ああ。私はお前の姉だぞ』
「そうか」
そのことに酷く安堵する自分がいた。傲慢で頭がおかしくて何考えてるかさっぱり分からなくて時々オレへの扱いが雑な姉貴だけれど。
それでも、嬉しい。Aという人物が姉であることが何よりも誇りだった。
「あれ？泣いてる？」
「うううううるせえ！これはあれだ！ゲームのセーブが吹っ飛んだからだ！パパと話つけに行くんだろ！早くしろよばーか！！」
また手が振り上げられた気配がした。また叩かれる、と身を竦ませたが衝撃と言うにはあまりにも優しく手のひらがつむじに置かれる。
『ありがとう、ミルキ』
おう、と小声で答えれば二人は部屋を出ていった。急いで部屋にある全てのパソコンの電源を点けてハッキングの準備をする。
ポテチの袋を開けて何枚かを一気に口の中に入れる。塩味だった。
※
「ほぅら、カルトちゃん！特注で作らせた新作のドレスよ〜〜！」
「お美しいです。お母様」
『ほう！珍しく趣味がいい。母者君は色が白いから黒がよく映える』
「おーほっほっほっそうでしょう？……Aっ！？」
『反応がミルキにそっくりだ。やはりあいつは母似だな』
思わずボクは母様の後ろに隠れてしまいました。久しぶりに見た姉様は、言葉では表しにくいのですが、一段と自信をつけたように思えたのです。
「あ、あ、あなたああああああーーーっ！！」
『そう、親父殿だ。あれは何処にいる。部屋に行ってもいないのだ』
「……姉様」
『なんだ？カルト。おお、また背が伸びたか！愛い子だ』
「姉様は、まだ神様なのですか」
珍しく姉様は目を見開きました。それも一瞬のことで、すぐさまいつものあの笑顔に戻られます。
『何を言う。私は未来永劫不変の神だぞ！』
良かった。何が良かったのかは分からないけれど、なぜか嬉しい。
神は人に堕ちなかったんだ。
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だいふくさん(プロフ) - 展開、夢主ちゃんの念能力の設定とても凝っていて凄いなと思いました。クロロの頭目らしい余裕ある思考や振る舞い、フェイタンの少し不器用なところがたまらんです。イチゴさんの文章がとても好きです（語彙力無くて上手く表せないのですが）。これからも応援しています (2019年1月31日 21時) (
レス) id: e941665527 (このIDを非表示/違反報告)
コンパイルエラー(プロフ) - 続きが早く読みたい！ (2019年1月21日 14時) (レス) id: 8e7827f170 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 楽しみに待ってます！ (2018年10月21日 19時) (レス) id: 2f8f38bf2c (このIDを非表示/違反報告)
南雲藍琉(プロフ) - 続編、それも原作沿いとわかり、狂喜乱舞しております。主の性格も、回りとの関係性も大好きなのでとても嬉しいです。3月４月？勿論待ちますとも。イルミとクロロとの会話でニヤニヤしました。 (2018年10月7日 19時) (レス) id: 2e644448cf (このIDを非表示/違反報告)
琥珀くん(プロフ) - 復帰楽しみに待ってます。イチゴさんの作品は全部好きで読ませてもらってます。この作品も大好きです。続きが読める日を楽しみに待ってます！ (2018年10月7日 14時) (レス) id: 2f4db1a1c5 (このIDを非表示/違反報告)
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