ソウヤのわがままを聞きたい ページ13
口で言っても退いてくれる気配がないため、両肩に手を置き強めに押す。すると渋々だが体を起こしてくれた。やっとどいてくれた、とホッと強張っていた身体から力が抜ける感覚がしてやっと、思ったより緊張していたことに気が付く。
「ちょっと付き合えよ」
「え？」
ベッドに腰をかけたナホヤを真似て隣に座った時、そんな言葉を投げられた。付き合うって、何に？
首を傾げ頭にハテナを浮かべているAを見て明るい笑顔を向けるナホヤ。そんな彼が徐に立ち上がり、わしゃわしゃと私の頭を鳥の巣にし始めた。急に撫でられたためわぁっ、と声をあげて驚いてしまう。
「いいから来いって。アングリー待たせてっから」
「人待たせといて何してんのよもう…分かった、行く」
それを言われては仕方ない。大人しく着いていくことにした。それにしても一体なにをするんだろう。ゲーセン？それかファミレスとかかな。
雑談に花を咲かせながら目的地へと辿り着く。2人の自転車の側にはソウヤが座ってぼーっとしていた。連れられたのは駐輪場だ。私の少し前を歩くナホヤが声をかけると、ソウヤは相変わらずの怒り顔をこちらに向けた。
「遅かったね。Aちゃん、スマイリーに何もされなかった？」
「別に何もしてねぇよ？」
「嘘つき！この人にちゅーされました！」
「えっ、それホント？」
「ホント！」
素知らぬ顔をしているナホヤに向けてビシッと指を刺す。こいつとぼけやがって。ムカついたのでジトリと睨んでおいた。言い合いをする私たちを見て、ソウヤがわなわなと震え出した。だが長く待たされたかと思えばこんなふざけたことをしていたと知れば怒るのも仕方ない。2日連続で申し訳ない気持ちになった。
「スマイリーだけズルい！」
「え？」
「あ？早いもん勝ちだろ？」
「だいたい本人に許可取ったの？」
「そりゃ無許可だけど」
「駄目だよ！スマイリーがごめんねAちゃん…」
ぺらぺらと口論を続ける河田兄弟だがまったく耳に入ってこない。ソウヤ今、ズルイって言ったよね？どういうことだ？すぐに頭が整理出来なくてしばらく放心してしまったが、ソウヤに謝られたところでハッと意識を取り戻した。
「えっ？あ、あぁ…それはもういいんだけど…ズルいってなに？」
「え？だってスマイリーが君とキスできてオレができてないなんて不公平だよ」
「だったらすりゃいいだろぉ」
「私の気持ちは無視な方向かな？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 197人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れな(プロフ) - 最高すぎました、好きすぎました、もしまだ占ツクやってたらぜひ更新してもらえると嬉しいです、、ドラケンとの絡みいっぱいみたいです、、完結までついていかせてください、、 (2023年4月20日 7時) (
レス) id: 5c55cc0d78 (このIDを非表示/違反報告)
ばくちく(プロフ) - 雪見大福さん» 私も書きながらにやにやしてるので同志ですね！ぜび存分ににやけていってください… (2021年6月22日 21時) (レス) id: 8fb08b8ced (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - やべ…ニヤニヤが (2021年6月22日 20時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ばくちく | 作成日時：2021年6月18日 21時
