▼紳士的なエスコート ページ9
「チームって徐々になっていくもんだろー?」
スガがそういっても大地は言ったことを取り消すつもりはないようだ。頑固だなー。
ガチャっと音がして、扉の方に目を向けると清水が入ってきた。龍が話しかけにいったがいつも通り無視されていた。
「ガン無視興奮するっすー!」
…メンタル強えぇー。
でもあの荷物マジで重そうだな…。仕方がない、これでもマネージャーの端くれ。
姉貴に鍛えられたレディーファースト精神で…。
「清水、俺荷物持つよ。」
「え、いい。重くない。」
嘘つけ、すっげえ必死に持ってきたくせに。
俺が荷物を奪って歩き出すと清水がぱたぱたと着いてくる。
小動物的で可愛らしい。むさ苦しい男共にはないものだ。女の子万歳。
「んなっ…!Aさん…なんてイケメンな…!」
「Aは相変わらずだな…」
いつものとこに荷物を置くと、大地が集合をかけて練習が始まった。
練習が終わって外が暗くなったとき、スガと龍が日向と影山の話をしていた。
「勝負して勝ったら入れて下さい!!とか言ってきそうじゃないすか、アイツら!」
「ありえる。頭冷やして、ちょこっと反省の色でも見せればいいだけなんだけどな」
話を聞き流していると体育館の外から『キャプテン!!』と大声が聞こえてきた。
大地、スガ、龍が日向、影山と話終わり、帰る準備をしているとき龍が分かりやすく朝練のことを聞いていた。
俺は知らぬ存ぜぬを決め込み、清水の隣で呑気にあくびを一つ零した。
睡眠時間は削りたくないし、あんま知らない人間に俺は冷たいんだ。
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作者名:ことり | 作成日時:2015年3月7日 15時