▼怒り ページ47
日向が顔を上げると、その顔色が一気に青ざめていく。
一点を見つめて固まっているのでその方向に振り返る。
そこにはすごい目つきで日向のことを睨む影山がいた。
影山が日向を俺からひっぺがす。そして一つ、頭にげんこつを落とす。
「ってええ!!あにすんだよ影山!!!」
日向が尻餅をつきながら立った影山を睨む。すごい身長差だな…。
不機嫌な表情で、影山は浴槽へ向かう。身体も全部洗い終わったらしい。早っ。
あ、石鹸落ちてる。危ないな。立ち上がって影山の手を引っ張る。
「影山!あぶな___」
引っ張ってしまったのが間違いだったようで影山が石鹸を踏んでタイルの上を滑る。
俺もそれに引っ張られて影山に抱きつくように倒れてしまう。
「うぬっ!!?影山ぁ!!Aさんに何手出してんだ!!」
龍が叫ぶ。
「っるせ、事故だっての。影山のせいじゃない。」
打ってしまった腰を撫でて苦笑しながら影山に手を差し出す。
「悪い、影山。助けるつもりだったのに共倒れしちまった。」
影山の顔を見ると赤くなっていた。のぼせたのか?
「…?のぼせたんなら上がった方がいいぞ?」
「いいいいいえっ!大丈夫です!!」
影山との絡みこんなのばっかな気がする。
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作者名:ことり | 作成日時:2015年3月7日 15時