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in訓練室
リョウガの瞳が大きく見開かれる。対照にスッと目を細めたケイイチロウは、リョウガと刃の隙間を数センチから数ミリに縮める。
赤「っ……」
ギリッと歯が擦れる音がした。
赤「……参り、ました……」
悔しそうに口から零れる言葉は確かに負けを認めるものだった。その言葉を聞いたケイイチロウはリョウガから刃を離す。リョウガを追い詰めた刃はケイイチロウの靴から生えていた。
青「俺の勝ち、」
そう呟かれた声には焦りと安堵が含まれていたようにリョウガは感じた。
紫「すっげぇ……」
思わず、と言ったように清春の口から感嘆の声が漏れる。息をするのも忘れてしまうほど圧倒的な2人の手合わせは、普段スコープ越しで見る2人よりも美しかった。
黄「流石ボスー!」
緑「えー!めっちゃ惜しかったくない!?」
桃「まだ勝てなかったか〜」
3人の声にハッと現実に引き戻される。清春の目線の先ではリョウガがケイイチロウの手を握って起き上がるところだった。
赤「今日こそ勝てると思ったのに……」
青「100年早い」
赤「うぅー!!」
悔しそうに地団駄を踏むリョウガと笑いながらそれを見るケイイチロウ。
青「で、俺が勝ったから、言うこと1つ聞いてくれるんでしょ?」
赤「あっ、そうだった」
青「キヨハルとミナトも」
緑「えーー!」
紫「あ、忘れてた」
青「何にしよっかなぁ」
ニヤニヤと悪い顔を浮かべるケイイチロウにあらかさまに嫌な顔をする3人。
青「リョウガはこの後俺と手合わせ続行。ミナトとキヨハルは今日の分の俺とリョウガの書類やってー」
予想外のとこに目を丸くするリョウガ。
赤「え、そんなんでいいの?」
青「勘違いすんなよ?今日1日俺との手合わせに付き合えってことだから」
ミナト気の毒気な顔でリョウガを見やる。が、リョウガの顔はキラキラと輝いていた。
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nana(プロフ) - 分かりました。ありがとうございました。これからも頑張ってください。 (2021年7月30日 16時) (レス) id: 4abcb9df84 (このIDを非表示/違反報告)
珠乃(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます。とてもいい案だと思ったのですが、自分が考えている設定と矛盾する点が出てきてしまうので、申し訳ないのですが……。ご期待に添えず申し訳ありません。稚拙ではありますがこれからもご愛読していただけると幸いです。作者より (2021年7月21日 23時) (レス) id: 3737864907 (このIDを非表示/違反報告)
N - 案なんですけど番外編とかで新メンバーを作ってその新メンバーがボスを追い詰めて「殺さないから一人の僕を仲間にしてほしい」というそれで仲間になる。みたいなやつどうですか? (2021年7月10日 20時) (レス) id: 4abcb9df84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠乃 | 作成日時:2021年4月8日 16時