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in9区アジト

青「なにこれ、手紙?」
桃「差出人は?」

受け取った封筒をまじまじと見つめる2人。既に封は切られていて、ミナトとリョウガは内容を知っているのだろうとケイイチロウは理解した。

青「……なるほど」
紫「え、これって」

落ち着き払っているケイイチロウとは逆に、手元を覗き込んだキヨハルは言葉を失った。

_________________________
拝啓 9区の皆様

あなた方のお仲間の身を預かっております。
つきましては、指定の場所まで御足労頂きたい所存でございます。

○○地区✕✕ 5-31
________________________

桃「……これだけ?」
青「差出人なんか、書かれなくても分かる」
緑「そんな大仰な書き方する所なんて、限られてる」

ミナトも差出人に覚えがあるのか、息を整えながら苦々しい顔をする。

青「リョウガ、この手紙どこで貰った」
赤「鳩」
紫「え?」
赤「だから、鳩。伝書鳩」
青「やっぱりね」

まさかの伝達方法に目を丸くするキヨハルと、ある程度予想がついていたのか、さほど驚かないケイイチロウ。

青「なんか恨み買うようなことしたっけ?」
緑「襲撃される1ヶ月前くらいに、サツキがその下っ端拷問にかけてる」
青「それかー」
桃「って、サツキは誘拐されたってこと!?ヤバいじゃん!!」

緊張感のない2人の会話に慌ててコタロウが割って入る。しかし、コタロウは気付いた。緊張感のないような声とは裏腹に、2人の目には光がないことに。

青「あそこ、ちょっと頭おかしいから気をつけろよ」
緑「ちょっとどころじゃないやん。だいぶやん」

ミナトがボソッと呟くように毒を吐く。その声は重く、キヨハルの背中に悪寒が走る程だった。

赤「とりあえず、迎えに行く準備しないと」
桃「そ、そうだね」
紫「ちなみに、サツキ拐った奴らってどんな……」

ケイイチロウは少しだけ上を向いて考えるような仕草を見せる。それから首を少し傾けて答えた。

青「まともに相手にするだけ無駄な奴ら、かな」

口元には薄ら笑いを貼り付けているケイイチロウ。だが、9区のメンバーは知っていた。それは、逆鱗に触れた合図だと。

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nana(プロフ) - 分かりました。ありがとうございました。これからも頑張ってください。 (2021年7月30日 16時) (レス) id: 4abcb9df84 (このIDを非表示/違反報告)
珠乃(プロフ) - Nさん» コメントありがとうございます。とてもいい案だと思ったのですが、自分が考えている設定と矛盾する点が出てきてしまうので、申し訳ないのですが……。ご期待に添えず申し訳ありません。稚拙ではありますがこれからもご愛読していただけると幸いです。作者より (2021年7月21日 23時) (レス) id: 3737864907 (このIDを非表示/違反報告)
N - 案なんですけど番外編とかで新メンバーを作ってその新メンバーがボスを追い詰めて「殺さないから一人の僕を仲間にしてほしい」というそれで仲間になる。みたいなやつどうですか? (2021年7月10日 20時) (レス) id: 4abcb9df84 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:珠乃 | 作成日時:2021年4月8日 16時

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