運命の糸 (ページ9)

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私にだけ当たるロープが痛くて、その場から走って逃げだした。車庫の様な開けた場所に来るとその男の母親が居た。まずい、と思った瞬間走ってきて唾液が喉に入り少しむせてしまった。
「あなた風邪なんじゃない？」

『えっ？いや、違う…』

「うちの子に移したら迷惑だと思わないの？今日は帰って。ごめんだけど。」

冷たくそう言い放たれた。
「親御さんに連絡して、迎えに来てもらいなさい。」

連絡？スマホも持ってないのに。そんなことを思う私を置いて車庫を出ていった。

楽しみにしていた思い出がこんなにも醜いものなんだと涙が出そうになる。どうやって帰ろう。そんなことを思っていると声をかけられた

「可愛いねぇ！」

白い犬の散歩中と言わんばかりのおじいちゃん。

「ありがとうございます」
そう言って犬を撫でる。
もふもふしてて頭を撫でると大きい目をウルウルさせる。

『私、もうここに居られないみたいなんです。』

「えぇ？」

急に話したくなった。

『みんなに追い出されちゃった。帰り方も分からない。』

でもね

『友達って言うものをちゃんと見極めるようになりましたよ』

そう言うと1人の男が私の隣に座った
走ってきたのか息を切らしてて。猫のような顔つき。目が合うと口角を少しあげて乾いたような笑い声をふっと上げる。

『あとね、おじさん。好きな人も出来ました。』

「そうかい」

何かを察したのかその男を見ながら納得するおじいちゃん。

そう告げて帰って行った。

「好きな人」なんて今会ったばかりじゃん。ほんとに呆れる自分。

何も喋らない彼に

『また会おうね』

なんてかっこよく言ってからこの場を去った。

あの後公衆電話でお母さんに連絡したっけ。

それからいじめのグループとは離れた。
あの男の人はきっと私を探してくれてたんだと思う。

懐かしい記憶に浸りながら調査を続行したけど何も見つからなかった。
でも分かったことがある。ビザ…
途中で出会った女性に聞いた。
私もビザが切れると思いゲーム会場へ足を運ぶ。