▼STORY.6 ページ6
鬱くんの温もりが離れる前に薄ら滲んでいた涙を拭ったものの、顔を覗き込まれて鬱くんに笑われてしまう。
ut「はっ、また泣いたん？」
『…泣いてないよ』
ut「はいはい」
鬱くんは「そーいう事にしたるわ」と上から目線で言ってくるから、私はそれを無視して着替えをする為に自室のドアノブに手を掛ける。
ut「なぁ」
少し低くなった声の鬱くんは後ろから私の手に自分の手を重ねてきて、部屋に入るのを制止される。
ut「...俺に嫌われたら嫌？」
振り返れば鬱くんの真剣な表情。
そんなの...
『うん。嫌』
当たり前じゃん...。
私の答えに満足したのか、ふっと笑った後私から離れる。
ut「ならええわ」
また後でな。そう言って鬱くんは先に階段を降りていくから、私は残った鬱くんの温もりを感じながら鬱くんの背中を眺める。
『.....嫌われたくないなんて皆思うこと。そうでしょ？』
鬱くんには言えないけど、私は独り言を呟いた後部屋に戻った。
着替えを済ませ下に降りると皆は硬い顔をしながら慌ただしくしている。
私に気が付いたグル氏とトン氏は私の元に来て、
gr「A今日は絶対部屋から出るな」
一層低い声で私にそう言った。
突然隣国が攻めて来たと報告があったらしく出動出来る人から順に持ち場に向かったとの事。
私が此処に来て初めての争いは凄く突然やってきた。
tn「何かあったらインカムで知らせてや。すぐ戻って来るから」
トン氏は滅多に使わないインカムの使い方を再度私に教えた後、
tn「いい子で待っとってな」
そう言ってグル氏と共に出て行った。
本当は行って欲しくない。引き止めたい。
だけどそんな事をしてしまえばこの国の均衡は乱されてしまうから、私は此処で皆の無事を祈るしか出来ない。
kn「何暗い顔してんねん」
2人が出て行った扉を見つめながら動けない私の顔を、コネくんはしゃがみ込んで覗いてくる。
『してないよ』
無理やりヘラッと笑ってみれば、「下手くそやな」と頬を軽くつねられる。
『…本当に行くの？』
言いたくなかったのに口から漏れてしまう。1度言ったら止められなくて、
『ちゃんと皆此処に帰って来てくれる？私もう…1人になりたくない』
我儘がスラスラと顔を出してしまう。
kn「帰ってくるで。A残して何処にも行かんよ」
コネくんは立ち上がり私の頭を撫でた後、
kn「俺達がAの事守るから」
そう言ってコネくんも戦場に向けて出て行った。
お願い、1人残らず私の元に帰ってきて。
そう願いながら私は自室に戻った。
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呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは！コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました！気が付かなかったので教えて頂けて助かりました（ ；∀；）ありがとうございます！ (2018年11月11日 19時) (
レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。１つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか？ (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます（ ；∀；）探してみますね！笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：呉城莉李。 | 作成日時：2018年4月1日 11時
