▼STORY.19 ページ19
kn「A見つかったか？」
『うーん...全然見当たらない』
今日はグル氏から頼まれた資料を作成する為に、コネくんと図書室に篭っていた。
参考にする本を探しているのだが一向に見つかる気配がなく、微かにホコリの匂いがする本達に鼻がムズムズしそうだ。
kn「上の方にあるってグルッペン言ってたよな？」
『言ってたね.....あ、コレかな？』
背の高いコネくんより遥かに高い本棚の上段に目当ての本らしきものを発見し、私は靴を脱ぎ椅子に登る。
kn「どうや？」
『多分コレだと思う！』
椅子の上で背伸びをして本に指先が触れた時、
『.....っ！』
kn「A！」
バランスを崩した私は椅子から落下した。
それなのに痛くないのは、私を抱き止めようとしてくれたコネくんが私の下敷きになっているから。
『...コネくんごめんね...』
kn「...ええよ。それより大丈夫なん？」
『コネくんのお陰で大丈夫だよ。それよりごめんね、重いよね』
コネくんの上から退こうとすると、コネくんに腕を引っ張られてしまうから、その勢いを殺せずコネくんの上に倒れ込む体制になってしまう。
『...コネくん？』
コネくんの表情を確かめるように顔を上げれば、至近距離でじっと私の目を見つめる彼。
色素の薄いその瞳に吸い込まれてしまいそうだ。
kn「なぁ、キスしてええ？」
突然のコネくんの発言に戸惑いと焦りが隠せない。
そんな私を他所に優しく私の後頭部に手が添えられ、その手にぐっと力が加わる。
徐々に近づくコネくんの顔にぎゅっと目を瞑る。
kn「ふっ、ばーーか。本気にしたん？」
その声に目を開けると悪戯っ子のように笑うコネくん。
『なっ！本気にしてないから！バカ！』
勢いよくコネくんから離れ、バランスを崩した拍子に一緒に落ちてきた本を拾い上げて椅子に腰掛ける。
私に続いてコネくんも椅子に座ると、"怒った？"なんて笑いながら聞いてくるから、
『うるさい！』
そう返せばいつものコネくんの特徴的な笑い声が図書室に響いた。
あの時のコネくんの表情は、"男の子"の表情で...。
いつも私に向けている瞳と違っていた。
私はその瞳を知っている。
でも、君がそれを私に隠したのなら
私は気が付かないフリをするよ。
『図書室では静かにして下さーい』
kn「ほんま生意気やな！」
そう言って私の頬を抓るコネくんはいつもの彼だ。
コネくんの瞳に宿った気持ちが彼と同じなのかは分からないけど。
コネくんが私に向けた視線がシャオくんと同じだってことに気が付いてしまったの。
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呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは！コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました！気が付かなかったので教えて頂けて助かりました（ ；∀；）ありがとうございます！ (2018年11月11日 19時) (
レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。１つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか？ (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます（ ；∀；）探してみますね！笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：呉城莉李。 | 作成日時：2018年4月1日 11時
