▼STORY.17 ページ17
ut「迷惑かけてすまんな」
翌日。
熱も下がり体調が回復した鬱くんが皆の元に顔を出すと、皆からは心配よりも先に小言が始まった。
tn「ええけど、次はお前一人で飯作れ」
ut「え、嘘やん」
朝から賑やかだな〜なんて思っていたら、
sha「トン氏それええやん」
自分の背後から声がしたのに驚き振り返ると、シャオくんと目が合う。
シャオくんが私に気持ちを伝えてきてくれた日から、気まずくてまともに顔を見れないでいた。
食事の時、会議の時...同じ部屋の中に居ながら、シャオくんの視線から逃げるように下を向いていたから、こうして目が合うのが久しぶりで戸惑う。
sha「...Aおはよう」
優しく笑うシャオくんにまた笑いかけてくれた事が嬉しく思う反面、彼の優しさに甘えている自分に情けなくなった。
『シャオくんおはよう』
そう返せばシャオくんは嬉しそうに笑い私の元から離れた。
そんなシャオくんの後ろ姿を私は静かに見つめることしか出来ないから、また自分の不甲斐なさに襲われる。
os「A、シャオちゃんと何かあったん？」
朝食を済ませ椅子に座りながら本を読んでいると、隣に腰をおろしたマンちゃんが首を傾げながら遠慮がちに聞く。
この数日の私とシャオくんを見ていれば勘のいいマンちゃんなら察していたに違いない。
そして、今朝の様子から私達に何かがあったと確信したのだろう。
『...私ねシャオくんに酷いことしちゃった』
本を閉じマンちゃんの方に向き直り呟く。
『優しいシャオくんに甘え過ぎてた。その優しさが当たり前になってその気持ちの上に胡座かいてたのかもしれない...』
マンちゃんは何も言わず私の話を最後まで聞き終えると、無意識に力強く握りしめていた私の手をとる。
os「A、持ちつ持たれつって言葉あるやん？」
優しく聞くマンちゃんの言葉に頷くと彼は更に続ける。
os「シャオちゃんは自分の好意でAに優しさを与えた。それでAは救われとるってことやろ？
でも、Aもシャオちゃんに与えてるものがあるってこと、気づいとる？」
私がシャオくんに与えているもの...？
私はわからなくて首を振る。
os「シャオちゃんがここに来た理由。それが、Aが与えてるもののヒント。答えは自分で気づくんやで」
シャオくんが此処に来た理由...か。
『...マンちゃんありがとう』
優しく微笑み席を立つマンちゃんは、「深く考え込み過ぎんようにな」と言って部屋を出て行く。
目を閉じぼんやりした頭の中ではシャオくんが笑っていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 533人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは！コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました！気が付かなかったので教えて頂けて助かりました（ ；∀；）ありがとうございます！ (2018年11月11日 19時) (
レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。１つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか？ (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます（ ；∀；）探してみますね！笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：呉城莉李。 | 作成日時：2018年4月1日 11時
