▼STORY.13 ページ13
ゴロゴロゴロゴロ.....
その音に思わず肩を揺らしながら恐る恐る窓の外を見れば、外は薄暗く今にも雨が降りそうな空。
雨も雷も大嫌いだ。
私は布団に包まりながら、無駄に広い自室に響く雷の音に耐えていた。
コンコンと2回小さめのノックの音に扉を開ければ、トン氏が顔を覗かせる。
tn「A。夕食出来た.....」
...ゴロゴロゴロ
『…っ!』
音に加わり光を放つ雷に私は目の前のトン氏にしがみつく。
音は大きさを増していき、それに伴って私の心音も大きくなり瞳が潤み始めた。
tn「Aは相変わらず雷ダメやな」
頭をポンポンと叩きながら優しく私を抱きしめるトン氏は、
tn「大丈夫やで。皆おるから下行こう?」
そう言って屈んで私の涙をそっと拭う。
『.....うん』
tn「Aは泣き虫やなー」
『...泣いてないもん』
再び鳴り響いた雷に私は屈んだままのトン氏に飛びついたけど、私の目線に合わせていたからトン氏の顔が近い。
トン氏はちょっとだけ頬を赤らめた気がしたけど、
tn「うちのお姫様は強がりやけど可愛ええな」
意地悪く笑うのを見て気の所為かと思った。
トン氏は私に手を差し出し、私もその手を取る。
もう、大丈夫。
差し出された手に自分から手を重ねられる程、私はここの皆が好きで過去を過去として見れるようになっている。
『...トン氏ありがとう』
tn『ん、ええよ』
優しく微笑むトン氏はいつだって私を救ってくれる。
トン氏のおかげで今も鳴り続ける雷の音が少しだけ怖くなくなった気がした。
tn「A今日はグルさんと一緒に寝かせてもらったらええんちゃう?」
『え?』
夕食を終えたトン氏は窓の外を見ながら提案する。
トン氏が捲ったカーテンの隙間には、光を放つ雷と降り出した雨が窓を叩きつけている。
tn「ほかの部屋と比べて、総統室の方が防音になっとるから雷の音マシやと思うで」
そう言い終えグル氏をチラッと見るトン氏に、
gr「.....別に良いが」
グル氏は困った顔をしながら承諾してくれた。
自室に戻るというグル氏と一緒に食堂を出て、一旦自室に戻り入浴と着替えを済ませ部屋を出ると、ドアの前にはグル氏が待っていた。
『待っててくれたの?』
gr「今来たところ」
『…ゆっくり寝たいのにごめんなさい』
私は申し訳なくなりグル氏に頭を下げるけど、
gr「別に対したことないゾ。気にするな」
そう言ってトン氏と同じように優しく微笑んでくれる。
忙しいグル氏と2人になることが少ないから、少しドキドキしながら総統室に向かった。
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呉城 莉李。(プロフ) - ともさん» こんばんは!コメントありがとうございます^^*確認させて頂きました所、主人公のセリフだった為修正させて頂きました!気が付かなかったので教えて頂けて助かりました( ;∀;)ありがとうございます! (2018年11月11日 19時) (レス) id: 96018d2087 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 初めまして。小説の投稿お疲れ様です。1つ質問させてください。【STORY.13】の「お待たせ。〜」の台詞がグルッペンさんになってるんですけど、主人公であってますか? (2018年11月10日 5時) (レス) id: 327d15f941 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» いえいえ!!! 更新、お疲れ様です!!! (2018年8月16日 21時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
呉城 莉李。(プロフ) - パス(PASU)さん» わざわざありがとうございます( ;∀;)探してみますね!笑笑 (2018年8月16日 16時) (レス) id: 2c8da04070 (このIDを非表示/違反報告)
パス(PASU) - 呉城 莉李。さん» 覚えてないです… ただただ可愛かったのを覚えています((((((( (2018年8月16日 5時) (レス) id: e5858196b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:呉城莉李。 | 作成日時:2018年4月1日 11時