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師匠がいろいろ話しているのだが、私の頭は師匠が死にゆく事を受け入れきれず、言葉は耳に入ってくるのに、頭が理解しようとしてくれない。
広がる血溜まりに気が焦る。
どうにかしてこの流れる血を止められないだろうか、と…。
「A。」
名前を呼ばれ、ハッとする。
「顔が見たい。顔を上げてくれないか?」
『…はい』
師匠と目を合わせる。
「Aは俺の自慢の継子だ。俺の意志を継ぎ、前を向いて戦い抜いてくれると信じている。
俺は…君の事を1人の女性として好いていた。愛していた。だから、沢山の幸せを掴んで欲しいとも思っている。冥土の土産話楽しみにしてるぞ。安心しろ。俺は、…いつもAと………」
「共にある。」
そして師匠は、にっこりと笑うと
そのまま、生き絶えた
『し…しょ…?師匠っ!?!?あぁぁぁあっ!!!!いやだ、いやだ、いやだっ!!鬼が居なくなったら、平和な世になったら、言ってくれる約束だったじゃないですかっ!!!
なんで、っ!?なんで、今っ、言うんです!?!?
私には返事すら言わせてくれないんですかっ!!
うっ…っ、
杏寿郎さんっ!!
私も貴方のことを好いておりました!愛してましたっ!!!
冥土でも、来世でも、貴方のことを見つけ出して、何度でも言いますからねっ!!!
貴方の事が好きですと、愛していると!
来世が平和な世の中なら、求婚しますからね!!
覚悟しておいて下さいよ!!!
貴方の継子になれて、幸せでした!!
貴方の事を好きになれた私は世界一の幸せ者です!!
沢山の幸せ…掴んで、つ、かんで、自慢して…!!
うわぁぁああぁんっ!!!』
清々しいほど綺麗な青空の下、私の叫び声が響いた。
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『…ふ、くぅっ。』
嗚咽を耐えていると、善逸もやってきた。
炭治郎にいろいろ聞いていていた。
炭治郎も言葉数少ないが、答えたあげていた。
「煉獄さんみたいになれるのかなぁ…」
その炭治郎の言葉に、止まりかけていた涙が再び流れだす。
『師匠ぉ…』
「弱気な事言ってるんじゃねぇ!」
と、伊之助から喝が飛ぶ。
「信じると言われたなら、それに応えること以外考えんじゃねぇ!
死んだ生き物は土に還るだけなんだよ。
べそべそしたって戻ってきやしねぇんだよ
悔しくても泣くんじゃねぇ!」
被り物の外まで、涙が溢れ出ている伊之助の説得力は皆無だ。
そして、少しずつ視界が霞み
師匠… 貴方の顔がもう…
見え、ませ……ん…
目の前が真っ暗になった。
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こっちゃむ(プロフ) - 柑橘系さん» 柑橘系様、コメントありがとうございます! そんな褒めて頂けるとは!有り難い限りです!実は、本編終了後の方がメインだったりします。笑 楽しんで頂けたのならば、作者冥利につきます。(*^^*) 最後まで目を通して頂き、ありがとうございました!(*^^*) (2020年10月27日 22時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系 - え、、、??貴方様は天才ですか????本編終了後とかもあるなんて最高じゃないですか!!すごいです!!!尊敬します!! (2020年10月26日 21時) (レス) id: 836661e0c9 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 飛鳥さん» 飛鳥様、コメントありがとうございます!良く分かりましたね!!(*^^*) 替え歌です!気付いて頂けて嬉しいです(*゚∀゚*) ハッピーエンドで終わらせる事が出来て良かったです(^^) 2人は幸せに暮らしていきます!(^^) 目を通して頂きありがとうございました!(^^) (2020年1月20日 7時) (レス) id: 28f6e76fef (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - 途中のはやはり紅蓮華の替え歌でしょうか!?最後!!結ばれて良かったです....お幸せに!! (2020年1月18日 23時) (レス) id: b31001c27f (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - ロアさん» ロア様、コメントありがとうございます!(*^^*) 予想外でしたか?(^^) 楽しんで頂けたみたいで、大変光栄です! 最後まで目を通して下さりありがとうございました!良いお年をお迎えください(*^^*) (2019年12月24日 14時) (レス) id: d587bb3c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こっちゃむ | 作成日時:2019年12月2日 2時