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『…っ、』
目を開けると、そこには
『こ…ちょ、さ…ま』
胡蝶様が、点滴を取り替えてくれている姿が目に入った。
「!!目覚めましたか!此処が何処だか分かりますか?」
コクリと頷いた。
「お水お待ちしますね。きっと声が出しにくいでしょうから。」
と、胡蝶様が去った後戻ってくるまで、ただただ、ボーッと天井を見つめていた。
今日はあれから何日経っただろうか…
「少量だけですよ?ゆっくり、飲んでくださいね。」
身体を起こしてくれた胡蝶様にそのまま身体も支えられて、水を口に含んだ。
そして、開口1番に聞いたのは…
『師匠は何処です?』
あの出来事が夢だったとか、実はあの時、師匠は瀕死ながらも生きながらえたのではないかと、都合の良い事ばかり考えた。
そんな私を察してくれた胡蝶様は
「煉獄さんは、見えませんが貴女の側に居ますよ。」
と、声を掛けてくれた。
そして、
「これは、竈門君から預かったものなのですが…」
と、渡してくれたのは
『…っ!?師匠の羽織…』
絶対安静の言いつけを破って、蝶屋敷を抜け出して煉獄家に…
本当、括り付けてやろうかと思いましたよ。
クスクス笑っているが、本気でやりかねなかった。
これは、私にも釘を刺した…?
戸惑う私をよそに
「今の状況を説明しますね。」
と、胡蝶様は話し始めた。
師匠の死から1ヶ月と3週間過ぎているらしい。
ということは、師匠の葬儀は私が呑気に寝ている間に終わってしまったということ。
『薄情者ですね…私。師匠の葬儀の時、寝てただなんで…』
口から出た言葉は、自分の不甲斐なさに対する愚痴だった。
「そんな事ないですよ。貴女が生きていることが、煉獄さんにとってどれだけ喜ばしいことか。」
しのぶさんは続けて、怪我も酷かったのに呼吸を使い、出血死寸前だったこと、そして目の前で最愛の師匠の死。精神的にも辛い状況だったのだから、1ヶ月以上眠り続けてもおかしくなかった。
寧ろ、目を覚まさない可能性もあったのに、目覚めてくれて本当に良かったと、言ってくれた。
『…煉獄家に行っても良いですか?』
今、私がすべき事は槇寿郎さんと千寿郎
そして…
師匠に逢いに行かなければ。
「仕方がないですね。止めても行かれるくらいなら、1つ条件を出します。」
『何でしょう…?』
「その身体では、筋力的にも厳しいので、隠の方に送迎をお願いするのであれば、許可します。」
『ありがとうございますっ!』
やれやれです。と、凄く優しい表情で微笑んでくれた。
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こっちゃむ(プロフ) - 柑橘系さん» 柑橘系様、コメントありがとうございます! そんな褒めて頂けるとは!有り難い限りです!実は、本編終了後の方がメインだったりします。笑 楽しんで頂けたのならば、作者冥利につきます。(*^^*) 最後まで目を通して頂き、ありがとうございました!(*^^*) (2020年10月27日 22時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系 - え、、、??貴方様は天才ですか????本編終了後とかもあるなんて最高じゃないですか!!すごいです!!!尊敬します!! (2020年10月26日 21時) (レス) id: 836661e0c9 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 飛鳥さん» 飛鳥様、コメントありがとうございます!良く分かりましたね!!(*^^*) 替え歌です!気付いて頂けて嬉しいです(*゚∀゚*) ハッピーエンドで終わらせる事が出来て良かったです(^^) 2人は幸せに暮らしていきます!(^^) 目を通して頂きありがとうございました!(^^) (2020年1月20日 7時) (レス) id: 28f6e76fef (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - 途中のはやはり紅蓮華の替え歌でしょうか!?最後!!結ばれて良かったです....お幸せに!! (2020年1月18日 23時) (レス) id: b31001c27f (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - ロアさん» ロア様、コメントありがとうございます!(*^^*) 予想外でしたか?(^^) 楽しんで頂けたみたいで、大変光栄です! 最後まで目を通して下さりありがとうございました!良いお年をお迎えください(*^^*) (2019年12月24日 14時) (レス) id: d587bb3c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こっちゃむ | 作成日時:2019年12月2日 2時