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「…っ!ぜ…くぞ?Aっ!!」
『ん…。し、しょう…?!あれ?寝ちゃってましたる』
と目を覚ますと、かなりの至近距離で師匠の顔があり、驚いた。
「こんな所で寝ていたら風邪をひく!君が寝込むと気が気がじゃない!仕事に手がつかなくなる!」
いつの間にか縁側で寝ていたみたいだ。
『そんな大袈裟ですよ。これくらいの事じゃ風邪なんてひきません。師匠に鍛えて貰ってますから!』
「師匠って誰のことだ??師範なら分かるが…」
『え…?鬼を倒すために、師匠に鍛えてもらってるじゃないですか!師匠は、杏寿郎様、貴方の事です!いつも、呼んでましたよね?』
師匠は、うーん?と、首を傾げ
「鬼なんてお伽噺の中だけだ!夢でも見ていたのだろう。
俺は教師になるために、師範学校には通っていたし、今は教師として働いているが、君に師匠と呼ばれた事は一度も無い!
俺の父槇寿郎は、剣術道場の師範で生徒は皆、師範と呼んでいる。
君は呼んだ事はないがな!
夢と現実が混ざってしまったのだろう!
いつもの様に俺のことは、杏寿郎と呼んでくれ。」
あれ?鬼??途端に記憶があやふやになった。
杏寿郎さんの言う通り、さっきまで夢でも見ていたのだろうか。
いつも刀を振るっていた気がする!と、
自身の手を見るも、傷やマメ、一つもない小さな、綺麗な手があるだけだった。
そして、その時に目に入ったのは私が今着ているもの。
それは、華やかで大きな柄の
そういえば杏寿郎さんも、袴姿にマントを羽織っており、お洒落な格好をしている。
「腕相撲をしたら、どれだけ君が か弱いか分かるのではないだろうか!」
と、ニコニコしながら手を差し出す杏寿郎さん。
その手を取り私は、愛しい彼の名を呼んだ。
『…杏寿郎さん!!』
「何だ?腕相撲するか?」
『しません!呼んでみただけです!!』
「そうか!!」
『杏寿郎さん!』
「何だ?」
『杏寿郎さん!!』
「A!」
「『愛してます(る)』」
『ふふっ』
「くくっ」
愉快だな!と、2人で笑い合う。
そしてふと、思い出した事があった。
『そうでした!杏寿郎さん!!今日お隣さんからさつまいもを頂いたんです!』
「本当か!」
『ふふ、お子さんと芋掘りに出掛けたみたいでお裾分けで頂きました!』
「有り難いな!」
『それでですね、夕飯は杏寿郎さんの好きな…』
「よもや!?」
『さつまいものみそ汁を作りましたよ!』
「それは、楽しみだな!」
旦那様である杏寿郎さんと穏やかな時を過ごしていた。
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こっちゃむ(プロフ) - 柑橘系さん» 柑橘系様、コメントありがとうございます! そんな褒めて頂けるとは!有り難い限りです!実は、本編終了後の方がメインだったりします。笑 楽しんで頂けたのならば、作者冥利につきます。(*^^*) 最後まで目を通して頂き、ありがとうございました!(*^^*) (2020年10月27日 22時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系 - え、、、??貴方様は天才ですか????本編終了後とかもあるなんて最高じゃないですか!!すごいです!!!尊敬します!! (2020年10月26日 21時) (レス) id: 836661e0c9 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 飛鳥さん» 飛鳥様、コメントありがとうございます!良く分かりましたね!!(*^^*) 替え歌です!気付いて頂けて嬉しいです(*゚∀゚*) ハッピーエンドで終わらせる事が出来て良かったです(^^) 2人は幸せに暮らしていきます!(^^) 目を通して頂きありがとうございました!(^^) (2020年1月20日 7時) (レス) id: 28f6e76fef (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - 途中のはやはり紅蓮華の替え歌でしょうか!?最後!!結ばれて良かったです....お幸せに!! (2020年1月18日 23時) (レス) id: b31001c27f (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - ロアさん» ロア様、コメントありがとうございます!(*^^*) 予想外でしたか?(^^) 楽しんで頂けたみたいで、大変光栄です! 最後まで目を通して下さりありがとうございました!良いお年をお迎えください(*^^*) (2019年12月24日 14時) (レス) id: d587bb3c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こっちゃむ | 作成日時:2019年12月2日 2時