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『どうした?』
「煉獄さんっていつも、あんな感じなの?」
『あっは!そうだな。けど、前を真っ直ぐに見据えて、面倒見も良くて、とても頼れる素敵な人だよ。』
「…っ!こ、心に決めた人って!!もしかして!?」
『!?』
そうだった善逸は、耳が良いから人の気持ちが分かるんだった。
『…っ、内緒にしてる訳でも無いけど、あんまり言わないでくれ!!師匠も知っている。』
「え?どう言うこと!?」
ガタンと、揺れると再び汽車は動き始めた。
「あ、動いた…」と言う善逸に説明しようとすると
「すげぇ、すげぇ、速ぇええ!」
窓から身を乗り出して叫ぶ伊之助のせいで、中断された。
「危ない、馬鹿このっ」
善逸が伊之助の頭を叩くが、興奮止まない伊之助はなおも叫ぶ。
「俺外に出て走るから!どっちが速いか競争する!!」
『降りるな馬鹿者っ!競争もするな!』
「馬鹿にも程があるだろ!」
善逸と2人で叫び止める。
「危険だぞ!いつ鬼が出てくるか分からないんだ!」
「えっ?」
師匠言葉に動きを止めたのは善逸だった。
「嘘でしょ 鬼出るんですか この汽車」
「出る!」
「出んのかい 嫌ぁあッ!鬼の所に移動してるんじゃなくて ここに出るの 嫌ぁぁあッ! 俺降りる」
ウェッとえづき、目玉も飛び出さんばかりに叫ぶ善逸に、師匠は淡々と告げる。
「この短期間のうちにこの汽車で 四十人以上の人が行方不明となっている!数名の剣士を送り込んだが、全員消息を絶った!だから、柱である俺が来た!Aは、俺が呼んだ!」
「はぁぁあっ!? なるほどね!降ります!!」
そんな善逸に声を掛けた。
『何で?汽車から無理に降りると死ぬよ?なら、鬼と戦った方が良い。柱の師匠も居るし。』
「あのね、Aさん、俺、凄く弱いのっ!信じられないぐらい弱いの!鬼と戦ってさ、生き残れる訳がないの!なら、まだ可能性がある汽車から飛び降りたいの!あぁーっ!でも、痛いのも嫌ぁーっ!あーあ、こんな時に正一君が居てくれたらなぁ!俺、守ってもらえるのにな!!それをさ、炭治郎がさっ!!!」
「ぜ、善逸…君は強いんだ。そんなに不安がるな!」
「はぁぁあっ!?不安しかねぇわっ!!」
すると
「切符…拝見…致します」
と、周りの音にかき消されそうなほど小さな声の車掌さんが立っていた。
車掌さんが何をするか知らない炭治郎に、師匠が説明しながら、切符を手渡していた。
パチン、と音を響かせながら、車掌さんが切符を切るその後ろで、善逸が降りる!と泣き叫んでいた。
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こっちゃむ(プロフ) - 柑橘系さん» 柑橘系様、コメントありがとうございます! そんな褒めて頂けるとは!有り難い限りです!実は、本編終了後の方がメインだったりします。笑 楽しんで頂けたのならば、作者冥利につきます。(*^^*) 最後まで目を通して頂き、ありがとうございました!(*^^*) (2020年10月27日 22時) (レス) id: 04ce2c00fd (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系 - え、、、??貴方様は天才ですか????本編終了後とかもあるなんて最高じゃないですか!!すごいです!!!尊敬します!! (2020年10月26日 21時) (レス) id: 836661e0c9 (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - 飛鳥さん» 飛鳥様、コメントありがとうございます!良く分かりましたね!!(*^^*) 替え歌です!気付いて頂けて嬉しいです(*゚∀゚*) ハッピーエンドで終わらせる事が出来て良かったです(^^) 2人は幸せに暮らしていきます!(^^) 目を通して頂きありがとうございました!(^^) (2020年1月20日 7時) (レス) id: 28f6e76fef (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - 途中のはやはり紅蓮華の替え歌でしょうか!?最後!!結ばれて良かったです....お幸せに!! (2020年1月18日 23時) (レス) id: b31001c27f (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃむ(プロフ) - ロアさん» ロア様、コメントありがとうございます!(*^^*) 予想外でしたか?(^^) 楽しんで頂けたみたいで、大変光栄です! 最後まで目を通して下さりありがとうございました!良いお年をお迎えください(*^^*) (2019年12月24日 14時) (レス) id: d587bb3c17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こっちゃむ | 作成日時:2019年12月2日 2時