7 ページ7
.
『だからもう、悟は此処に来ない方が良い。』
「何でだよ!」
『僕は君を殺したくない。』
「どうやって、俺を殺すんだよ。なんも出来ねぇだろうが!」
Aは結界から出れない。
しかも、この結界の中は術式は使えない。
『悟が此処に来た事で、此処の結界に歪みが生じ始めたんだよ。君の存在が結界に影響を及ぼしてる。内と外からの力で10:0で保たれていた主導権が今は8:2だ。度々意識を乗っ取ろうとしてくる。』
「俺が、祓えば良いんだろ?それに乗っ取られたところで、その結界の中じゃ何も出来ないんじゃないのか?」
『言っただろ?結界に歪みが入ってるって。それに、こいつはきっと、この結界を破れる。この結界の中では僕が優位に立っている。もう人を殺したくないから、主導権を譲らずに大人しくこの中にいたんだ。こいつを祓う力はまだ、君には無い。自惚れるな。』
呪霊じゃないから、祓うもおかしいか。などと呑気に首を捻るAに腹が立った。
「…っち。俺がどれだけ強いか知らないだろ!!」
『反転術式使えない奴は、呪力が底を尽きたら終わり。違う?』
「…っく。」
『次会う時は…
僕を殺す時だ。』
.
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こっちゃむ | 作成日時:2021年2月2日 13時