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カツン、カツン。と俺の足音だけ響く。
階段には、呪力が込められた蝋燭が灯されていた。
着実に1歩1歩下へと降りて行くと、階段の終わりが見え、廊下が続いているようだった。
廊下に降り立つと、数メートル先に扉が現れた。
その扉には施錠の術がかけられていた。
「ふーん。"解錠"」
六眼持ちの俺には、解くことなんて造作のないことだったけど。
立て付けが悪くなっているのか、開けるのには少し力が必要だった。
ギィっと音を立てながら開いた先には部屋が広がり
「…っ。」
複雑な結界に眩暈がした。
見え過ぎるのも考えようだな。
ギュッと目を瞑り、眩暈をやり過ごす。
ゆっくり目を開き、この場の状況を瞳に写すと牢屋のようなその場所は結界に幾重にも複雑に守られていた。
そして、その奥で守られていたものを見つけ、目を見開いた。
『…珍しい。お客さん?』
「お前、誰だよ?」
人だったのだ。
厳重に守られていたその人物は
『あ、もしかして君、僕を殺してくれる人?』
と、軽やかに笑うのだった。
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作者名:こっちゃむ | 作成日時:2021年2月2日 13時