呪術 現パロ 悠宿双子 その他設定有り ページ11
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「まだ、小さいのに…可哀想ね。」
「誰が引き取る?」
「双子でしょう?」
「1人ずつは可哀想じゃない?」
「1人…悠仁君なら引き取れるけど…2人引き取る余裕はないわ。」
「宿儺君は、ちょっと気難しいって言うじゃないか。親が亡くなったと言うのに、泣きもしないみたいだし。」
「2人で施設に入ってもらうか?」
ひそひそと、母親側の親族の話し声が聞こえた。
座敷の隅で2人肩を寄せ合っている小さな存在を見つめる。
悠仁は、目にいっぱいの涙を浮かべて泣くのを我慢している。その片手に宿儺の服を握りしめて。
宿儺は、ただ遺影一点を見つめている。
あの2人は、私の12歳も離れた兄さんの子だ。
宿儺は我慢強くて、男前なんだ。良く人を見てる。悠仁は、優しくて、人懐っこくて、可愛いんだ。と、生前兄さんが自慢していた。
兄さんはそんなに喋る人じゃなかったから、子供の自慢話となると饒舌になるから良く覚えている。
かく言う私達兄妹も、親を病気で亡くしている。
両親は駆け落ち同然で結婚したらしく、親族とは疎遠であったため、兄さんとその奥さんが親代わりとなって、面倒を見てくれた。
兄さんは私が13の時に結婚した。
私は18になった時に上京。
私が成人した時に、奥さんが双子を身篭り、無事に出産、順調に成長していく双子を愛でながら、幸せな道を歩んでいたのに…
『…人って、本当、簡単に死ぬんだもんな。』
遺影の中で、幸せそうに笑う兄夫婦を見た。
『ねぇ、悠仁と宿儺。おばちゃん家来る?』
悠仁と宿儺とは、何度か顔は合わせている。
住む場所が仙台と東京だったこともあり、頻繁には会ってないが、知らない顔ではない。
新幹線で2時間ぐらいの距離だが、仕事で忙しくしていたし、正月ぐらいしか会えなかった。
私の声に、あの子まだ25.6でしょ? そんな2人を育てる経済力あるの? 在宅の仕事だって聞いたわよ? 無責任な事を。
など、聞こえたが聞こえないふり。
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作者名:こっちゃむ | 作成日時:2021年2月2日 13時