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翌朝
俺はあれから一睡もできなかった。
朝6時には、患者の起床となる病棟。
7時半には必ず朝食が運ばれてくる。
6時半には、外がザワザワとし始めていて、
気分転換のために屋上に向かった。
****
冴島side
7時には朝食を配り始めるため、カートを押し、一部屋ずつ届けていく。
藍沢先生の部屋の担当は、自分。
なるべく食べてもらわなきゃ、と思いながらドアをノックし、いつもの様に病室に入った。
「藍沢先生、朝食を…………」
"お持ちしました" そう言いかけたが、目の前の光景にその言葉は言うことは無く。
藍沢先生の姿は、無かった。
机に食事を置くと、直ぐにスタッフステーションへと急いだ。
*****
白石side
バタバタバタと、朝の病棟にはそぐわない足音がした。
??「白石先生、!!…っ」
そう呼ばれ、振り返った先には、ハァハァと息切れしている冴島さん。
「……どうしt……「藍沢先生が、病室に居なくて、!……一応、トイレもほかの場所も簡単に探したんですけど、いなくて、」
その時だった。
もう1人の若いナースが走ってきて、言ったのだ。
ナース「…っ、藍沢先生が、屋上に…いるらしくてっ、!」
そう言われた瞬間、スタッフステーションに居た
緋山先生と名取先生含め私も、何かを察した。
名取「俺、屋上行ってきます。」
名取先生がそう言って、我に返る。
「……じゃあ、私も行くわ。冴島さんと、藤川先生も。…お願い、来て。緋山先生はヘリ担でしょ、?ここにいて。すぐ連れ戻す」
冴島「わかりました」
藤川「了解、行こう」
藤川先生のその掛け声で、走り出した。
***
藍沢side
屋上は久々だった。
風が吹き、少し肌寒いものの、景色はいい。
朝日に照らされる、ドクターへリ。
柵に手を置き、しばらく景色を見ていた。
"落ちたんだ、屋上から。"
不意にその言葉が蘇ってきた。
"母さんは、空を見るのが好きだった。……それで、折れてる柵に気づかないで、そこから落ちた"
…………ここから落ちれば、楽になれるかもしれない。
柵を超え、淵に立つ。
…………これでやっと、消えることが出来る。
そう思った時だった。
バンッッッと大きな音がして、
「藍沢!!!何やってんだよ!」
そんな、聞きなれた声が聞こえた。
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yuuftykk(プロフ) - さくらもちぱんさん» ありがとうごさいます!!楽しみにしてくれているなんて、とても嬉しいです!!頑張ります!! (2019年4月4日 14時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
さくらもちぱん - 藍沢先生がかいた手紙とかほんとうに感動しました!毎回楽しみにしています。これからもがんばってください! (2019年4月4日 14時) (レス) id: cdc2a4987c (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 愛子さん» ありがとうございます!!リクエストにお答え出来ていて良かったです!こんな作者ですが、これからもよろしくお願い致します! (2019年4月4日 9時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
愛子(プロフ) - リクエストした話読みました。個人的には、これまでの話の中で一番です。これからもリクエストさせていただきます。 (2019年4月4日 2時) (レス) id: 0fe946f898 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 実桃さん» そんなことを言って頂けて、とても嬉しいです!!毎回読んでくださってありがとうごさいます!頑張ります、!! (2019年4月4日 0時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:自鳴琴 | 作成日時:2019年2月18日 21時