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3枚ほどにわたる長文の手紙。
そこには、藍沢の字で、聞いたこともないくらいの
感謝の言葉と、謝罪の文。
考えに考えて書いたであろう手紙。
そこには、藍沢のいろんな気持ちが混ざっている気がして。
謝罪、感謝、恐怖、不安、悔しさ……
所々、涙の跡が残っていて、こっちまで泣きそうになった。
緋山「……っ、ばっかじゃないの、そんな、の…
ちゃんと、言葉で言いなさいよ……」
冴島「藍沢先生…………、こんな手紙…書いてたんですね……」
白石「…………いつから……分かってたのかな…
いつも通りの、震えてない…カルテに書かれる藍沢先生の字だから……きっと、随分と前だよね……」
新海「……藍…沢……っ、……ほんっと、
迷惑じゃないって何回言えばわかるんですかねぇ、」
片付け所か、全員が手を止めて藍沢の手紙を見ていた。
そして、藍沢の思いを読む度に、涙を流して。
冴島「……藍沢先生は…、もう十分…名医です。……腕は確かですし、言っていることは間違いではない。………そして患者に寄り添える……」
落ち着いてきた頃、ポツリと冴島が言った言葉。
緋山「強いて言うなら、アイツは全然バカみたいに背負っちゃう所ね。…あと無愛想で笑えない」
冴島「……緋山先生。…まあ、滅多に笑わない人でしたけど…、厳しくて、冷たくて…口下手で、無愛想で。……でも、1歩あとを歩く私たちナースから見れば、藍沢先生は周りを見て、フォローして、
本当は、馬鹿みたいに優しい人なんです。」
冴島の言葉は、本当にそうだと思った。
俺がはるかの流産で悩んでる時に助けてくれたのも
フェローの時に感謝に訴えられた緋山に声をかけたのも
辞めようとした白石を引き止めたのも
田沢さんのことで思い詰めてる冴島を助けたのも
やるべき事をやった時、フェローを褒めて自信つけたのも
ぜんぶ、全部藍沢だった。
俺に褒められた時より、横峯が跳ねて喜んでたのは、
藍沢に褒められた時だった。
"よくやった"
お前はその5文字だけで、横峯に自信を持たせた。
お前は結局、誰よりも…尊敬されるやつなんだよ。
「………あとで、フェローにも、見せてやろう。」
白石「そう、ね……」
緋山「……あいつがこんなに礼言うなんて、
ほんと……珍しすぎるわ…」
緋山はそう言いながら泣いていた。
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yuuftykk(プロフ) - さくらもちぱんさん» ありがとうごさいます!!楽しみにしてくれているなんて、とても嬉しいです!!頑張ります!! (2019年4月4日 14時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
さくらもちぱん - 藍沢先生がかいた手紙とかほんとうに感動しました!毎回楽しみにしています。これからもがんばってください! (2019年4月4日 14時) (レス) id: cdc2a4987c (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 愛子さん» ありがとうございます!!リクエストにお答え出来ていて良かったです!こんな作者ですが、これからもよろしくお願い致します! (2019年4月4日 9時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
愛子(プロフ) - リクエストした話読みました。個人的には、これまでの話の中で一番です。これからもリクエストさせていただきます。 (2019年4月4日 2時) (レス) id: 0fe946f898 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 実桃さん» そんなことを言って頂けて、とても嬉しいです!!毎回読んでくださってありがとうごさいます!頑張ります、!! (2019年4月4日 0時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:自鳴琴 | 作成日時:2019年2月18日 21時