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「…………あ、藍……沢、?」
そう…名を呼んだときだった。
藍沢の周りの機械がけたたましく鳴り響く。
冴島「!!心拍下がってますっ、!!!」
ベットの隣にいた白石は咄嗟に動き始める。
…………それは、橘先生によって止められた。
橘「……気持ちは、分かる…………だが、ここで蘇生できても、藍沢が苦しいだけだ。」
白石「!!でも、っ、!!でも……っ」
橘「………辛いのは、みんな一緒だ。………それに、一番辛いのは、藍沢だろ…、?………もう十分……頑張ったんじゃないか……、?藍沢は…」
その声に、白石の動きがピタリと止まる。
そして、ゆっくり藍沢を見た。
ベッドサイドにゆっくりしゃがみこみ、藍沢の手を握る。
白石「………よく、頑張ったよね………藍沢先生は…………」
白石がそう小さく呟いたと同時に、
藍沢の目から、1粒の涙が流れて。
藍沢の心電図は、
______________直線を描いた。
冴島「……っ、」
緋山「藍沢……っ、ばか、」
橘先生がゆっくりと歩いていき、鳴り響く機械を止めた。
そして、藍沢の頭を撫でた。
橘「…………よく……頑張ったな…藍沢
横峯「藍沢先生!!!私……、私…まだっ、」
灰谷「………っ、」
名取「………なに、やってんだよ……」
みんながすすり泣く中、聞こえた震えた声。
名取「………この前、俺に藍沢先生のオペ、見せてくれるって言いましたよね、?………まだ見せてもらってないんですけど……」
緋山「……な、とり……?」
名取「……まだ聞きたいことたくさんあるんですよ、……目…開けてくださいよ…」
周りの目なんて気にせずに、もう二度と返事をしない藍沢に話しかける。
名取「目開けてください……、藍沢先生…っ」
もちろん藍沢は返事をするどころか、
少したりとも動かない。
「なぁ………目開けろ……っ、!!!もう1回、使えねぇフェローだって言えよ!!!! 」
見たこともないくらいの形相で、そういう名取。
………個室に響く名取の声。
夜に差し掛かって、静まりつつある病院。
けれど、それを止める人はいなかった。
名取「………っ、」
空が闇に包まれるまで、
俺らは藍沢のそばにいた。
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yuuftykk(プロフ) - さくらもちぱんさん» ありがとうごさいます!!楽しみにしてくれているなんて、とても嬉しいです!!頑張ります!! (2019年4月4日 14時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
さくらもちぱん - 藍沢先生がかいた手紙とかほんとうに感動しました!毎回楽しみにしています。これからもがんばってください! (2019年4月4日 14時) (レス) id: cdc2a4987c (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 愛子さん» ありがとうございます!!リクエストにお答え出来ていて良かったです!こんな作者ですが、これからもよろしくお願い致します! (2019年4月4日 9時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
愛子(プロフ) - リクエストした話読みました。個人的には、これまでの話の中で一番です。これからもリクエストさせていただきます。 (2019年4月4日 2時) (レス) id: 0fe946f898 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 実桃さん» そんなことを言って頂けて、とても嬉しいです!!毎回読んでくださってありがとうごさいます!頑張ります、!! (2019年4月4日 0時) (レス) id: a80528a29b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:自鳴琴 | 作成日時:2019年2月18日 21時