藍沢先生…！！5

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藍沢side



仕事を終え、検査結果はまだか、医局で待っていると藤川が帰ってきた。



……手には茶封筒。



………検査結果…、だろうか。


……俺自身の見解では、再発しているだろう。

…藤川の表情を見て、確信した。
アイツなら、再発してなきゃ喜んで飛んで帰ってくるだろうから。


……再発した時は、"治療しない"


……それが、俺が決めたことで。
再発すれば、生存率は初めより低くなる。

……治療しても、治らないことの方が多い。
それならば、俺は、最期は楽にいきたかった。




最期まで……、"藍沢 耕作"でありたい。

最期まで……、"医者"でありたい。


それが、俺の望みだった。




再発が分かって、俺は白石達に再発したことを説明し、治療はしないこと……、全て話した。



白石「治療はしないって………治療しなきゃ、藍沢先生は……」

「…俺は、苦しんで死ぬくらいなら……、最期まで自分のしたいことをしてたい。……」

白石「………っ、藍沢…先生……っ、」


白石はﾎﾛﾎﾛと涙を流しながら、話を聞いてくれていた。



緋山や冴島だって、フェロー達だっていた。

……それもお構いなしに、白石は涙を流して。




緋山「やらないで死なせるくらいなら、……リスクを取るって言ってたアンタはどこいったのよ！……ほんの少しでも可能性があるんなら、やるのがアンタなんじゃなかったの､!?」

白石の横で、いつものように怒る緋山。


……そんな白石と緋山に、俺は、何も言えなかった。









その日の夜から、俺は個室に入院することになって。


デスクワークは許されたものの、回診や処置に入ることは辞めておいた方が、お前のためだと、橘先生に言われた。


……自分も、これ以上処置に入って迷惑をかけるのは避けたかったため、それで了承した。



もう一度考えてみて、と言われた治療希望の用紙。


………けれど、その用紙には、"治療しない"に丸をして。



………この状態から考えて、




余命は、 あと "2ヶ月" ほど。






………この2ヶ月…、一日一日を…、一分一秒を、



大切に生きようと、そう思った。

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