103.莫大な情報量 ページ6
エマ達が穴に落ちる数時間前。
Aはとても焦っていた。
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やばい…これはかなりやばい……！！
ガサッ ブゥゥン ザッザッ チュンチュン ザワザワ カサッ タッ パサッ ドンッ スッ ダンダン ポロッ ズズズ ブゥーン タタッ カサカサ パサッ ピチチ ズン…ズン ササッ ドッドッドッ タンッ ズサッ ジャリッ トトト ギシッ ズダンッ カサカサ ザワワ ビュー パッ ギッ スーッ バサバサ ズリリ………
あーー！うるさいうるさいうるさい…！！
頭が可笑しくなるっ！
この巨大な森から聞こえてくる莫大な音が、僕の頭の中でぐるぐると鳴り響く。
人間1人だけでも、色んな音が聞こえてくる。
吐息、服を掠める音、歩く音、鼓動、血が巡る音…etc。
ハウスにいた頃は今より感覚は鋭くなかったし、徐々に増えていく音に慣れていって問題はなかった。
だからこうやって、聞いたことのない音が一気に入ってくるのは初めだった。
それに加え、横切る虫、風で舞い散る葉、揺らめく草木。それらが目移りして目を疲れさせる。
大きな樹木の間をすり抜ける風が、独特な方向に流れて来て気持ち悪い。
そしてその風に乗って流れてくる木の匂い、土の匂い、獣の匂い、嗅いだことのない匂い、なんかもうよくわかんない植物の匂い。
全部が一度に頭に入ってきて、脳が処理しきれない。
やばい…すっごい気持ち悪い。
初めての場所での多すぎる情報量に、僕は酔っていた。
塀を少し越えた所までは、どこに何があるのか全て分かっていた。
だけどもここは原作でしか知らない、体験したことのない場所。
実際に立って歩いたことがない。
土の感触も、陽の当たり方だって今までとは違う。
知識でわかっていても、実際に体験しなきゃ知っていることにはならない。
あぁ…やばい。
元々調子が悪いのに、こんな場所を移動しないとなんて。
しかも寒い！そりゃ冬だからね！僕1人だけマフラーしてるけど寒いよ！
これは一種の拷問か何かなのかな…？
しかもこの後穴に落ちるしさ……
だからと言って歩みを止める訳にもいかない。原作の流れを変えてしまう。
深呼吸でもして落ち着…あぁ、知らない空気が入ってきて気持ち悪いぃ……
我慢して深く息を吸い込み、脳に酸素を運ぶ。
大丈夫、ここにはノーマンもいない。誰も僕の調子には気づかない。気づかせない。
それに、もうそろそろ……
「みんな！ちょっと休もう！朝ごはんにしよう！」
助かった。少し座って休みたい。
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ユトナ(プロフ) - 茨の谷の第二王子さん» ありがとうございます！夢主君の顔にはすごく力を入れているので、そう言って頂けてとても嬉しいです！ (2022年3月15日 0時) (
レス) id: 38c56725bc (このIDを非表示/違反報告)
茨の谷の第二王子 - 面白いです！そして夢主お顔がよろしい！ (2022年3月15日 0時) (レス) @page17 id: 436e3086c5 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - 桔梗さん» ありがとうございます！ (2021年4月16日 20時) (レス) id: c75326f28d (このIDを非表示/違反報告)
桔梗 - 楽しみです! (2021年4月16日 20時) (レス) id: 8ef62998d5 (このIDを非表示/違反報告)
ユトナ(プロフ) - りんごりんごさん» 面白いと言って頂けてとっても嬉しいです！応援ありがとうございます！！ (2021年4月11日 7時) (レス) id: c75326f28d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユトナ | 作成日時：2021年2月24日 0時
