約束のネバーランド【男主】

29.シスターの本気 ページ30

「5…6…7…8…9…10。
さぁて♡気になっていたのよね。森の中の(・・・・)子供達」

10秒数え終えたシスターが動き始める。

シスターがここにきて10日経った。
その間シスターは日夜決められた位置でただ見張るだけ。
ママは隙がないからシスターはただ忠実に見張ることしかできなかった(・・・・・・)。
だけど今日ようやく隙を突けた。
まぁその隙もママがわざとシスターに与えた隙なんだけどね。
最年長(ボクら)の実力を調べさせる為に。

シスターの豪快な足音を聞きながら、3人の作戦会議にも意識を集中させる。

「さて、敵はどう動く？これだけ多くの子供を集めたけれど20分という時間制限つき」

「恐らくシスターはまず僕らを探す。狙いは年長者(ぼくら)6人だろうからね。
まずは年長者(ぼくら)、そしてその途中で見つけた弟妹(みんな)を根こそぎ捕まえていく…」

シスターの足音が止まった。
気づいたんだ。
何の"跡"もないこと、偽の足跡のこと。
僕らがやっているのが、ただの鬼ごっこじゃないことを。

「気が変わったわ。これも封印♪」

ジャラッ

発信機をしまい、ついにシスターが本気を出した。




「「あれっ？」」

ガバッ

「わっ！」

年少者が一か所に集められ、集まったところをシスターに捕まえられる。
星やハート型の葉っぱ、他にも「花」や「文字」を道々に並べ、興味を持った年少者をおびきよせている。
子供の好奇心を利用した小細工に、どんどん捕まる数が増えていく。
年少者だけならともかく、既にナットやアンナ、トーマまで…
みんな完全に動きを読まれてる。
この数日でみんな成長したけど、ほんの(・・・)数日。個々での逃走はまだキツい。

そして何よりシスターのあの体力。
追いかけられたが最後、こちらの体力がなくなるまで追いかけられる。
どこのホラーゲームだよ。


「ドンとギルダ、もう(・・)捕まってんの？」

この声はラニオン…ってことは残り、エマとノーマンとレイ、そしてエマが抱えて走っているフィルとビビアンだけか。
あ、僕はノーマンに脅されて本気で逃げてまーす。なんだよ本気出さなかったらみんなの前でキスするとか。どんな脅しだよ。怖いよ！
公開処刑が怖くて頑張ってるので、まだシスターにも誰にも見つかってません。
いやーこんな時に五感が優れてて良かったって思うよ。訓練の成果も感じられるし、参加して良かったかも。

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