捌拾弐話 ページ48
なるべく優しく笑った。
『異能力がなくたって、此れまで生きて来れた。だから_____お前等なんて必要ねぇ』
笑っていたのをやめる。
「……………………そう。強くなったのね」
『母親面すンのも、姉貴面すンのもやめろ。二度と俺達に関わるな』
ぎろりと睨むと、ハギワラは悲しそうに微笑む。
「判った。もし、本当に駄目になった時は呼んで。力になるから」
『…死,にそうに、なったらな』
そう云うとハギワラは蝶になって消えた。
『ふー…』
大きく息をはいて、伸びをする。
『フェーヂャに電話しとくか』
携帯を取り出すと同時に電話がかかった。
『うお、国木田からだ。………出るのやだなぁ』
でも出ないとしつこいよなぁ。
ぴっ、と通話釦を押した。
「おい貴様何処にいる！敦と太宰はどうした！」
『悪い、国木田。敦、組合に連れ去られてッ…。俺はなんとか逃げ切ったんだけど助けられなかった…！』
泣きそうな声で訴える。
「そうか…。敦の事は責めん。お前が無事で良かった。で、お前は今何処にいるのだ」
『個人的に調べたい事があってな…。もうすぐ帰るよ』
太宰もいないのか…。
「気を付けて帰って来い。組合が彷徨いてるかも知れんからな」
『おう、判った』
電話を切り、フェーヂャに電話をかける。
「はい」
『フェーヂャ。俺、異能力なんてなかったよ』
「おや、そうでしたか。…と云うか探偵社入る時に僕云いませんでした？貴方に異能力なんてない、と」
『云ってた気がする』
はは、と笑うと溜息をつかれた。
「これからどうするんですか？」
『取り敢えず、探偵社に帰るよ。さっき催促の電話があったし。また何かあった時は
「判りました。ではまた連絡します」
『あぁ』
電話を切って小さく息をはく。
『帰るか…。怪我しておいた方がいいかァ？』
そんな事を考えながら施設を出た。
『楽しくなりそうだな』
組合はいつ動くだろうか。
俺がフェーヂャの所に帰れるのはいつだろうか。
『帰るか』
俺は探偵社に向けて歩き出した。
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ぴみゃ - ドストさん絡みの男主のお話で一番好きです。頑張ってください、応援してます！ (2018年5月24日 21時) (
レス) id: a5e208826f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 黒翔さん» 調べてみたらそうでした…。ご指摘有難う御座います (2018年4月7日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - どうでもいいし細かいんですけどフョードルの愛称みたいなものってフェージャじゃないんですか？() (2018年4月7日 20時) (レス) id: 8b992b69e6 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - ドストさん癒し！！更新待ってます！ (2018年4月1日 23時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 零さん» 癒しになって良かったです…。有難う御座います！ (2018年1月12日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：曉 | 作成日時：2017年10月15日 22時
