伍拾話 ページ3
「くっ…!」
悔しそうに声を漏らした敦に、アンは攻撃を続ける。
そして何故か、外に繋がる扉に向かって走り出した。
「お友達を捨てて逃げる気!?」
『太宰にでも頼る心算か』
あと数糎でドアノブに手が届く。
そんな時に後ろから男性が引っ張り、敦は転んだ。
「駄目だよ少年。敵はあっちだ」
ルーシーが唖然としている。
「此の
「っ………でも、方法が」
『"絶対に敗けぬ"と高を括る敵ほど、容易い相手はない。谷崎君達は、お前が囚われた時に必死に助けたんだろ?………敦、お前は諦めるのか?』
敦が、決意した顔になったかと思うと先程引っ張られた
「お話は終わり?やる気は戻ったかしら。そうでなくちゃ面白くないわ。でも_____終わりよ」
ルーシーがそう云うと、敦の下からアンが姿を現す。
其れに気付いた敦は素早く避けたが、もう一体のアンが待ち構えていた。
「もう一体!?」
「そちらは三人なのだから、当然でしょ?」
「しまっ……!」
其れを避けきれなかった敦がアンに捕まる。
そして谷崎君と同じように無数の手によって扉へと吸い込まれてしまった。
「はい、おしまーい!」
掃除が終わったかのように喜ぶルーシー。
「其れで、お二人はどうなさるの?特におじ様。おじ様の言葉のお陰で、虎の彼に逃げ出されずにすんだわ。だから、感謝の印に見逃してあげてもいいわよ?どうせ捕まえる指示のない、小汚い中年一人見逃したりしたって、フィッツジェラルドさんは怒ったりしないもの。それとも_____」
ルーシーが、一回息を吐いた。
「おじ様が、アンに捕まった時の絶望した顔を見て見ようかしら。貴方も一緒にね?」
俺と男性に徐々に近付いて来るアン。
「試すかね?」
「!?」
男性は、とても恐ろしい笑顔を見せる。
其の所為なのか、ルーシーやアンは動けなくなっていた。
『無理だよ。だってルーシー……お前は既に敗けるから』
くつり、笑って扉を指差す。
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ぴみゃ - ドストさん絡みの男主のお話で一番好きです。頑張ってください、応援してます! (2018年5月24日 21時) (レス) id: a5e208826f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 黒翔さん» 調べてみたらそうでした…。ご指摘有難う御座います (2018年4月7日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - どうでもいいし細かいんですけどフョードルの愛称みたいなものってフェージャじゃないんですか?() (2018年4月7日 20時) (レス) id: 8b992b69e6 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - ドストさん癒し!!更新待ってます! (2018年4月1日 23時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 零さん» 癒しになって良かったです…。有難う御座います! (2018年1月12日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 | 作成日時:2017年10月15日 22時