伍拾捌話 ページ11
女性は、目を閉じた。
「何故私に判るか?簡単じゃ、何故ならかつて_____同じく光に焦がれ、焼かれて落ちた女が居った故」
「_____でも、そうだとしても……一度見た夢を、頭から消す事は」
夜叉白雪が女性の首を狙うがもう一人の夜叉に阻止される。
「戻れ鏡花。判っておる筈じゃ」
「嫌。戻りたくない。其れでも私は…!」
「そなたは目的の為に
「そんな、どうして…」
鏡花の顔が青くなっていく。
「違うの。此れ、は…」
彼女の懐から携帯が落ち、音を立てて砕けた。
すると、夜叉白雪は消えてしまう。
「私が守って遣ろう。もう居場所を求めて刃を振りかざす必要はない」
女性が鏡花の肩に手を置くと、車が数台止まり黒服の男達が出て来た。
「後は任せたぞ」
其の合図とともに、黒服の男達は俺達に銃口を向ける。
「ぐ…!」
『鏡花!………ちっ、シマ!あの子を追え。あの子はマフィアに居させては駄目だ』
「頭、下げてくださーい」
諦め掛けた時、聞き慣れた声が聞こえてきた。
車が回転しながら此方に向かい、俺達の隣に落ちる。
「おー、飛んだ飛んだ」
「大丈夫か、敦」
『国木田』
俺達の所に国木田が駆けてきた。
「……何故」
「鏡花の電話に、着信があれば信号を出すように手を入れておいた。立て、何時まで守られ役でいる心算だ。A、お前も見てないで立たせろ」
「わっ」
『悪い』
国木田は軽々と片手で敦を持ち上げる。
「刺されても起き上がる
遠くからただならぬ殺気を感じた。
「探偵社の毒虫め…。鏡花に此れ以上、毒の光を見せるな」
黒服の男達が国木田や宮沢にも銃口を向ける。
「……組織同士の全面戦争と云う訳か。此の忙しい時に」
国木田と宮沢が臨戦態勢に入った時、一人の男の声が響いた。
「ワァ、タイミング最高。衝突一秒前って感じだ。あと少し遅くくれば楽できたのに。君、やる?」
「構わないが……大勢からの注目が………痒い」
『こいつ等は……!』
「
ジョン・スタインベックと、ハワード・フィリップス・ラヴクラフト……!
ジョンは確実に俺を見たが、何も云わなかった。
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ぴみゃ - ドストさん絡みの男主のお話で一番好きです。頑張ってください、応援してます! (2018年5月24日 21時) (レス) id: a5e208826f (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 黒翔さん» 調べてみたらそうでした…。ご指摘有難う御座います (2018年4月7日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
黒翔(プロフ) - どうでもいいし細かいんですけどフョードルの愛称みたいなものってフェージャじゃないんですか?() (2018年4月7日 20時) (レス) id: 8b992b69e6 (このIDを非表示/違反報告)
晋陽 - ドストさん癒し!!更新待ってます! (2018年4月1日 23時) (レス) id: c1e93ed5ca (このIDを非表示/違反報告)
彼岸(プロフ) - 零さん» 癒しになって良かったです…。有難う御座います! (2018年1月12日 20時) (レス) id: 5d298c47da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 | 作成日時:2017年10月15日 22時