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陸話 ページ7

『お札…だな。五枚あるけど幾らか判らん』


向こうと此方(日本)じゃ違うもんな…。


『まぁいいや。取り敢えず職を探さないと』


喫茶店とかでいいかなぁ。


『……腹減ったし、取り敢えず此処に入るか』


近くにあった喫茶店に入る。


「いらっしゃいませー」


『こんにちは。奥の席、空いてますか?』


ニッコリ、と笑顔を貼り付けて給仕さんに話しかけた。


「あ、はい。空いてますよ」


『有難う御座います。じゃあ珈琲と、なにか軽めの物を』


給仕さんにお願いして、俺は奥の席に座る。


『良さそうな所だな』


数分して、給仕さんが珈琲を持ってきてくれた。


『有難う御座います。そうだ、お姉さん。俺職を探してるんですけど……良い所知りません?』


「其れなら武装探偵社はどうでしょう。此処の4階にあるんですよ」


『此処は?』


「其れは店長に聞かないと…」


『そうですか。有難う御座います』


給仕さんが戻ったのを見ながら珈琲を啜る。


『武装探偵社か…。嫌な予感がするから却下。此処も其れの下にあるなら却下』


俺は溜息をついた。


『仕方ねぇ。矢っ張り体を売りながら稼いで…1年で此の地形を覚えないとな』


野宿すればどうにでもなるし。


よし、そうしよう。


給仕さんが持ってきてくれたサンドウィッチを食べながら俺はそう決心した。


『……林檎食べたいな』


珈琲とサンドウィッチを食べてから、ポツリ呟く。


まぁ、あとで買えばいいか。


『あ、給仕さん。此処って地図置いでますか?俺、ヨコハマに来たばっかりで…』


「ありますよ。はい、どうぞ」


『有難う御座います』


給仕さんから地図を受け取って、俺は彼女に金を渡して外に出た。


『ふぅん…。こんな感じなんだな』


資料の内容がまだある頭の中に、地図の内容を入れいく。


『よし、1年でなんとか覚えれるな』


此れでも記憶力はいい方だからな。


地図を綺麗に折り畳んでポケットに入れた。


『じゃあ、まぁ………やりますか』


ぐっ……と伸びをして、俺は歩き出した。




約1年で俺は此の街の地形を覚えた。


『ん?フェーヂャからだ』


携帯に連絡が来ている事に気付いて、其れを開く。


『本の道標となる虎を見つけて欲しい…?』


此のご時代に虎、ねぇ。


『ま、フェーヂャの情報だから安心だな。どうやらまだヨコハマには居ないみたいだし』


携帯を閉じてポケットにしまう。


『鶴見川付近に行ってみようか』


俺は動き出した。

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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時

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