伍話 ページ6
『_______胡散臭』
其の人が消えて行った方向に向かって、ぼそりと呟く。
あの人は只者じゃない、そんな感じがひしひしと伝わってきた。
『…仕事探しに行こ』
来た道を戻る為、くるりと躰を回転させる。
そして、仕事を探す為に歩き出した。
『一番良い所は_______賄いが出て、寮がある店。あと…情報が入りやすい所かな』
もう一つ付け加えるとすれば、面白い所。
『賄いはどうでもいいけど…林檎さえ食べれればなんでもいいか』
住む所だって、野宿すればなんとかなるし。
『問題は職だよなぁ…』
さっきの胡散臭いおっさんは
フェーヂャの方がおっさんより楽だろう。
『んー…』
矢ッ張り躰を売るしかねぇのか…?
『あ、ねぇねぇ、其処の少年』
路地裏に佇んでいた全身真っ黒の少年に話し掛ける。
夜になっていれば判らなかっただろうな。
「_______"やつがれ"に何か用か」
………"やつがれ"?
"やつがれ"って云ったか、此の少年。
驚いたが、冷静を装って話を続ける事にした。
『えと……此の辺で良い就職先はないかな』
「……悪魔に教える程でもない。此の街から去れ」
『へぇ_______』
こいつ、俺の事"悪魔"って云ったよな。
『俺、ヨコハマでも有名なんだな。…初めて知った』
「悪魔はポートマフィアでも危険人物として特定されている。……あまり彷徨いていると、軍警に捕まるぞ」
『お前、優しいんだか優しくないんだか…。ま、忠告有難う』
軍警とか殺,してしまえば関係ない。
『あ、そうだ。俺はイシュリー。……お前は?少年』
「やつがれは芥川だ」
『芥川君ね。じゃあ、また』
俺は芥川君に背中を向けて歩き出した。
『ヨコハマで有名なら気を付けないとな。職に就けなくなる…』
矢ッ張り一寸くらいはお金貰っとけば良かった。
「そんなに職に就きたいならポートマフィアはどうだ」
此処まではっきりと聞こえた、お誘い。
俺は芥川君の方に向き直した。
『…林檎ある?』
「或るが……人殺,しだぞ」
『だったら興味ねぇわ。俺、御主人いるし』
ふ、と微笑むように目を細めると彼の後ろに人影が見える。
其の人影は、拳銃を芥川の方に向けていた。
地面を蹴って、其処まで行ってそいつを殴る。
『こいつ金持ってないかな』
ポケットを探っていると、金を見つけた。
『じゃあな、芥川君。また会えたら』
金を持った手を振りながら俺は其の場を離れる。
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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時