検索窓
今日:2 hit、昨日:4 hit、合計:244,135 hit

伍話 ページ6

『_______胡散臭』


其の人が消えて行った方向に向かって、ぼそりと呟く。


あの人は只者じゃない、そんな感じがひしひしと伝わってきた。


『…仕事探しに行こ』


来た道を戻る為、くるりと躰を回転させる。


そして、仕事を探す為に歩き出した。


『一番良い所は_______賄いが出て、寮がある店。あと…情報が入りやすい所かな』


もう一つ付け加えるとすれば、面白い所。


『賄いはどうでもいいけど…林檎さえ食べれればなんでもいいか』


住む所だって、野宿すればなんとかなるし。


『問題は職だよなぁ…』


さっきの胡散臭いおっさんは却下(パス)だ。


フェーヂャの方がおっさんより楽だろう。


『んー…』


矢ッ張り躰を売るしかねぇのか…?


『あ、ねぇねぇ、其処の少年』


路地裏に佇んでいた全身真っ黒の少年に話し掛ける。


夜になっていれば判らなかっただろうな。


「_______"やつがれ"に何か用か」


………"やつがれ"?


"やつがれ"って云ったか、此の少年。


驚いたが、冷静を装って話を続ける事にした。


『えと……此の辺で良い就職先はないかな』


「……悪魔に教える程でもない。此の街から去れ」


『へぇ_______』


こいつ、俺の事"悪魔"って云ったよな。


『俺、ヨコハマでも有名なんだな。…初めて知った』


「悪魔はポートマフィアでも危険人物として特定されている。……あまり彷徨いていると、軍警に捕まるぞ」


『お前、優しいんだか優しくないんだか…。ま、忠告有難う』


軍警とか殺,してしまえば関係ない。


『あ、そうだ。俺はイシュリー。……お前は?少年』


「やつがれは芥川だ」


『芥川君ね。じゃあ、また』


俺は芥川君に背中を向けて歩き出した。


『ヨコハマで有名なら気を付けないとな。職に就けなくなる…』


矢ッ張り一寸くらいはお金貰っとけば良かった。


「そんなに職に就きたいならポートマフィアはどうだ」


此処まではっきりと聞こえた、お誘い。


俺は芥川君の方に向き直した。


『…林檎ある?』


「或るが……人殺,しだぞ」


『だったら興味ねぇわ。俺、御主人いるし』


ふ、と微笑むように目を細めると彼の後ろに人影が見える。


其の人影は、拳銃を芥川の方に向けていた。


地面を蹴って、其処まで行ってそいつを殴る。


『こいつ金持ってないかな』


ポケットを探っていると、金を見つけた。


『じゃあな、芥川君。また会えたら』


金を持った手を振りながら俺は其の場を離れる。

陸話→←肆話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (211 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
358人がお気に入り
設定タグ:文スト , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。