肆拾話 ページ42
「何がおかしい」
私は、いつもの笑顔を中也に向けた。
「いい事を教えてあげよう。明日、『五大幹部会』がある」
「五大幹部会?莫迦な。あれは数年に一度、組織の超重大事項を決定する時だけ開かれる会だ。あるなら疾っくに連絡が…」
「理由は…私が先日、組織上層部にある手紙を送ったからだ。で、予言するんだけど_______。君は私を殺さないどころか懸賞金の払い主に関する情報の在処を私に教えた上で、此の部屋を出て行く。其れも、内股歩きのお嬢様口調でね」
「はぁ!?」
私の言葉に目を丸くする中也。
「私の予言は必ず中る。知ってると思うけどね」
「此の……状況からか?巫山戯る…。_______手紙?」
目を大きくさせた彼にくすりと笑った。
「手紙の内容はこうだ。『太宰。死歿せしむる時、汝らの凡ゆる秘匿公にならん』」
「……?」
少しだけ時間を置いてからさっと私から離れる中也。
「真逆、手前…」
「元幹部で裏 切り者の私を捕縛した。だけど上層部に『太宰が死,んだら、組織の秘密が全部バラされるよ』っていう手紙まで付いて来た。検事局に渡れば、マフィア幹部全員、百回は死刑に出来る。幹部会を開くには充分過ぎる脅しだ」
「そんな脅しに日和ほどマフィアは
「だろうね。けど其れは幹部会の決定事項だ。決定より前に、私を勝手に私刑にかけたら独断行動で背信問題になる。罷免か、最悪処刑だ」
「そして……俺が諸々の
「って事で、やりたきゃどうぞ?」
中也が史上最高にムカつくだろう笑顔を作る。
「ほら早く」
ちょいちょい、と挑発をするとぎりぎりと歯を鳴らした。
「まーだーかーなー?」
笑って云ってやると、短刀を床に落とした。
「なんだ、やめるの。『私の所為で組織に追われる中也』ってのも素敵だったのに」
「糞……」
勝ち誇ったような顔をすると怒りが収まらないのかふるふると震えている。
「真逆…」
何かに気付いたのか、中也は私を見た。
「って事は、二番目の目的は"俺に今の最悪な選択をさせる事"?」
「そ」
「俺が嫌がらせをしに来たんじゃなくて……実は手前こそが、嫌がらせをする為に俺を待ってたって事か?」
「久し振りの再会なんだ。此れくらいの
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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時