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参拾捌話 青鯖対蛞蝓← ページ40

_______ぽたり、天井から水が零れ落ちる。


真っ暗な部屋の中、腕を鎖で繋がれている私。


ふわぁ…と大きな欠伸をすると、鎖の音が響いた。


「……頃合いかな」


「相変わらず、悪巧みかァ?」


聞き慣れた、厭な声が部屋に響く。


足音が近付いてくるにつれ、眉間に皺が寄った。


「こりゃ最高の眺めだ。百億の名画にも優るぜ」


ポートマフィアの幹部、中原中也。


「えぇ?太宰」


「最悪。うわっ、最悪」


「良い反応してくれるじゃねぇか。嬉しくて縊り殺,したくなる」


階段の上に"何か"を置いて最後まで降りる中也。


あからさまに嫌そうな顔をする私に、彼は指の関節を鳴らしている。


「……前から疑問だったのだけど、其の恥ずかしい帽子どこで購うの?」


「けっ、云ってろよ放浪者(バガボンド)。いい年こいて…まだ自 殺がどうとか云ってんだろ、どうせ」


「うん」


「否定する気配くらい見せろよ…」


早足で私に近付く中也。


「だが今や手前は悲しき虜囚。泣けるなァ太宰。否、其れを通り越して……少し怪しいぜ」


彼は私の髪の毛を掴み、持ち上げる。


「丁稚の芥川は騙せても俺は騙せねぇ。何しろ俺は手前の元相棒だからな。……何する心算(つもり)だ」


「何って_______見たままだよ。捕まって処刑待ち」


自由な手をまるで挑発するようにひらひらと動かした。


「あの太宰が不運と過怠で捕まる筈がねぇ。そんな愚図なら、俺がとっくに殺,してる」


「考えすぎだよ。心配症は禿げるよ。まさか…」


「禿げ隠しじゃねぇぞ」


中也は帽子を取り、また被り直す。


「一応云っとくが、俺が態々此処に来たのは手前と漫談する為じゃねぇ」


「じゃ、何しに来たの」


「嫌がらせだよ。あの頃の手前の『嫌がらせ』は芸術的だった。敵味方問わず、さんざ弄ばれたモンだ。だが_______」


ちらり、階段の上を気にしてから中也は壁を蹴る。


「そう云うのは大抵、後で十倍で返される」


ひびが入り壊れた壁から欠片が落ちて来た。


ついでに、私の腕に繋がれていた鎖も壊れている。


「手前が何を企んでるか知らねぇが…此れで計画は崩れたぜ。俺と戦え太宰。手前の計画ごと叩き潰してやる」


クイッと挑発をする彼。


「……中也」


「あ?」


指をぱちり、鳴らすと手錠が外れた。


私の左手にはピンがある。


「君が私の計画を阻止?……冗談だろ?」


「何時でも逃げれたって訳か。いい展開になって来たじゃねぇかァ!」

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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時

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