参拾陸話 素敵帽子と針鼠 ページ38
『ひっ、くしゅ!』
自分の
『寒…』
腕を擦ってから、布団に潜り混んだ。
_______布団!?
勢い良く上半身を起こし、辺りを見渡す。
「おぉ、起きたか」
寝台から少し離れた長椅子に、煙草を吹かしている男性の姿が見えた。
珈琲の匂いがふんわりと漂っている。
『此、処は…?』
「俺の部屋だ」
赤茶色のような、橙色の髪の毛。
俺と同じような、青色の瞳。
『芥川君は?』
「其の芥川に手前を頼まれたんだよッ!」
『ふーん…』
寝台から降りて長椅子に近寄った。
「手前、名は」
『どっちが知りたい?』
にやり、口角を上げながら彼を見る。
「…あ"?」
『は、冗談だよ。……A・イシュリー。探偵社では"浅間A"って名乗ってる』
「名乗ってるって…手前、探偵社の野郎じゃねぇのか」
『今は、な。正確には違うけど』
「どこ所属だ」
睨みをきかせてくる彼に、くすり笑った。
『其の前に名前、教えてよ。何時までも知らないままじゃなぁ…』
「チッ。_______中原中也だ」
『中原ね。…俺の所属くらい、自分で調べろ』
浮かべていた笑みを消し、真顔でそう云う。
『少なからずもポートマフィアには有力な情報員が沢山いるだろ?』
「おちょくってんのか、手前ッ…!」
中原は持っていた煙草を折った。
『くはっ、じょーだん。俺の名前は浅間Aだし、武装探偵社以外に所属してねぇよ』
「は…」
さっきとは打って変わってくすくす笑うと呆然とする中原。
こいつ意外と面白いな。
『からかってみたかったんだよ、一寸』
「意味わかんねぇ…」
彼は折った煙草を灰皿に入れ、新しい煙草を取り出した。
『俺は何時まで此処にいればいんだ?』
「…黙秘で」
『さっきおちょくったから怒ってんのか?』
「五月蝿え、黙っとけ」
『ま、実はと云うと名前が知りたかったからおちょくった様なもんだけど』
「は_______ッ!?」
『くっ……ふふ』
頬を赤くしてこっちを見る中原を見て、俺は長椅子の背もたれに顔を埋めて笑いを耐える。
「手前ッ!」
『笑ったのは謝る。でも、名前を聞きたいと思ったのは本当。だから怒んないで』
くつくつ笑いながら手を挙げた。
「はぁ…頼むから、変な事云うな」
『
俺は其の場に座り、長椅子を背もたれにする。
いつ戻れるかな。
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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時