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参拾肆話 ページ36

「さて敦君、A君。此れで判っただろう?」


「何がです?」


太宰はニコッと笑って乱歩さんの方に振り返った。


「乱歩さんのあの態度を探偵社の誰も咎めない理由がさ」


一般人。


だけども素晴らしい脳の回転の速さ。


『ふぅん』


細く、細く俺は笑った。


敵に回せば恐ろしい人だな、彼は。


.


.


寮には帰らず、パルクールを使って横浜の街を飛び回る。


不意に、黒い見知った影が見えたので声をかけた。


『よぉ、芥川君。此の前振り』


「……なんだ、貴様か。何をしに来た。自ら捕まりに来たか?」


『まっさか。……てか、此の前の襲撃はやりすぎなんじゃねぇの?』


「あれは部下が勝手にやった事。僕は知らん」


『え、あれ芥川君の指示じゃなかったんだな』


こほり、芥川君が咳を零す。


『ま、いーや。興味ないし。帰ろっと』


くるりと体の向きを回転させると着物を着た少女が俺を見つめていた。


「_______誰が貴様を素直に帰そうか。鏡花」


「御免なさい、お兄さん」


ぶわり、紫色の文字列の中に女性が現れる。


『詰んだな』


少し、自傷気味に笑うと俺は何故か意識が途切れた。


.


.


どさりと倒れた男を羅生門で抱える。


「今回はアレが出て来ぬのだな」


まぁ、よい。


「鏡花。お前は此処で此の男を捕まえるまで待っていろ」


咳を一つしてから写真を鏡花に渡した。


鏡花は食い入るように見詰めている。


「……貴方はどうするの?」


「帰るに決まっているだろう」


僕は男を抱えたままポートマフィアに向かった。


「あ?芥川じゃねぇかァ。……そいつは?」


「探偵社の者です。済みませんが、僕は仕事があるので預かってくれませんか?」


「ンで、俺が…」


「もしかしたら、太宰さんの弱みかも知れませんよ」


「ちっ…。しゃーなしな」


「お願いします。_______中原さん」


中原さんは僕の羅生門に抱えられたAに触れ、彼を浮かす。


彼に一礼してから、僕は踵を返した。

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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時

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