参拾弐話 ページ34
「ここまで吠えたんだ。納得すれば、大人しく帰るだろう。これ以上時間を無駄に出来ん。銃を渡してやれ」
「…」
自身の拳銃を見ながら、口籠る杉本巡査。
「おい、どうした。いくらこの街でも素人が拳銃を補充するのは容易じゃない。官給品の銃なら尚更」
「_______ッ」
「何を黙っている。………杉本」
「彼は考えてる最中だよ。減った三発分の銃弾について、どう云い訳をするかをね」
「おい杉本!お前が犯人の筈がない。だから銃を早く渡せ!」
杉本巡査が銃を取り出そうとしながら、
「『まずい』」
一歩、後ろに下がると杉本巡査は銃を構える。
「行け。敦君!」
「え!?」
太宰が敦の背中を押した。
「止めろ!」
箕浦さんが叫んだ途端、発砲音が聞こえる。
だが其の銃弾は誰にも当たることはなかった。
理由は勿論、敦が杉本巡査を押さえ込んでたからである。
「お、やるねぇ」
「離せ!僕は関係ない!」
「逃げても無駄だよ。犯行時刻は昨日の早朝。場所は此処から140
「なっ、何故其れを…!」
「其処に行けばある筈だ。君と…被害者の足跡が。消し切れなかった血痕も」
敦の下で杉本巡査が汗を流した。
「どうして……バレる筈ないのに…」
「続きは職場で聞こう。……お前にとっては、元職場になるかも知れんがな」
手錠をつけられた杉本巡査は箕浦さんに連れられ、
「A?行かないの?」
『あ、待って。今行く』
亡くなられた山際女史を撮影してから俺は敦と一緒に乗った。
警察署に皆が入って行く中、俺はその場に立ち尽くす。
「中には入らないの?」
『俺は外で待ってるよ』
「そう」
心配そうな敦に微笑んで、石に腰を下ろした。
携帯を取り出し、文字を打ち込んでいく。
『………"ごめんなさい"、ねぇ』
何に対して謝ったんだか、山際女史は。
『送信っと』
携帯を閉じ、ポケットにしまった所で皆が出て来た。
「………世話になったな。其れに…何だ。実力、疑って悪かった。難事件があったら、また頼む」
「僕の能力、必要になったらいつでもご用令を。次からは割引価格でいいよ」
照れ臭そうに箕浦さんは云う。
其れを見ながら乱歩さんはにっこりと笑った。
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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時