参拾壱話 ページ33
呆れたような言葉を発したのは乱歩さんだ。
「まだ判ってないの?名探偵は調査なんかしないの。僕の能力『超推理』は一度経始すれば犯人が誰で、何時どうやって殺,したか瞬時に判るんだよ。のみならず、何処に証拠があって、どう押せば犯人が自白するのかも、啓示の如く頭に浮かぶ」
「巫山戯るな。貴様は神か何かか!そんな力が有るなら俺達刑事は皆免職ではないか!」
「正に其の通り。漸く理解が追いついたじゃないか」
「_______ッ!」
箕浦さんが、乱歩さんを睨む。
「まぁまぁ、刑事さん落ち着いて。乱歩さんは終始こんな感じですから」
「僕の座右の銘は『僕がよければ、全てよし!』だからな!」
乱歩さんがあんなんなのも納得だ。
「そこまで云うなら見せてもらおうか。其の能力とやらを!」
「おや。其れは依頼かな?」
「失敗して、大恥をかく依頼だ!」
「あっはっは。最初から素直にそう頼めばいいのに」
「ふん。何の手掛かりもない、此の難事件を相手に大した自信じゃないか。なんなら60秒いるか?」
乱歩さんが懐から眼鏡を取り出し、笑う。
「そんなに要らない」
「敦君、A君。よく見てい給え。探偵社を支える能力だ」
「______________なるほど」
「犯人が判ったのか?」
「勿論」
箕浦さんが尋ねると、乱歩さんは彼に向かってピースサインをした。
「くくっ、どんなこじつけ会が出るやら……犯人は誰だ?」
彼はピースサインを崩し、神妙な顔付きで一人の男を指差す。
「犯人は君だ」
「は_______?」
指を差された犯人_______杉本巡査も驚いている。
「くっ……くっははは!おいおい、貴様の力とは、笑いを取る能力か?杉本巡査は警官で、俺の部下だぞ!」
「杉本巡査が、彼女を殺,した」
笑い出す箕浦さんに対し、乱歩さんは淡々と言葉を紡ぐ。
「莫迦を云え…!大体こんな近くに都合よく犯人がいるなど…」
「犯人だからこそ、調査現場にいたがる。其れに、云わなかったっけ?『何処に証拠があるかも判る』って。……拳銃貸して?」
「ば、莫迦云わないで下さい。一般人に官給の拳銃を渡したりしたら、減俸じゃすみませんよ!」
「其の通りだ。何を云い出すかと思えば…。探偵って奴は口先だけの阿呆なのか?」
「其の銃を調べて、何も出なければ僕は口先だけの阿呆って事になる」
「ふん。貴様の舌先三寸はもう沢山だ。杉本、見せてやれ」
「え?で、ですが」
焦り出す杉本巡査。
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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時