弐拾話 ページ22
「なぁに、定番なのだよ。新入りは先輩の前職を中てるのさ」
「はぁ…じゃあ、谷崎さんと妹さんは学生?」
「お、中った。凄い」
ま、ナオミちゃんは学生服着てるからな。
「どうしてお分かりに?」
「ナオミさんは制服から、見たまんま。谷崎さんのほうも歳が近そうだし_______勘で」
恥ずかしそうに頬を掻く敦。
「やるねぇ、じゃあ、国木田君は?」
「止せ。俺の前職など如何でも…」
「うーん、お役人さん?」
今日の敦は頭が冴えるなぁ。
「惜しい」
『学校の先生だったりして』
「正解。元学校教諭だよ。数学の先生さ」
厳しかっただろうなぁ…。
「じゃあ、私は?」
「え、太宰さんは…」
こいつの前職は謎だ。
なんと云っても、想像が全く持ってつかないのだから。
「無駄だ、小僧。武装探偵社七不思議の一つなのだ、こいつの前職は」
「確か最初に中てた人に賞金があるンでしたっけ」
「そうなんだよ。誰も私の前職が中てられなくて賞金が膨れ上がってる」
俺は給仕さんが持って来てくれた林檎を齧る。
『ちなみに、賞金って幾ら?』
「参加するかい?賞典は今_______七十万だ」
がたり、音を立てながら立った敦。
あーあ、金に目が眩んでるよ。
「中てたら貰える?本当に?」
「自 殺主義者に二言はないよ」
「
「違う」
「研究職」
「違う」
「工場労働者」
「違う」
「作家」
「違う」
「役者」
「違う。けど……役者は照れるねぇ」
頬に手を当てて照れる真似をする太宰。
『全ッ然中らないじゃねぇか、敦』
「A君の考えはどうだい?」
『んー…』
俺は林檎を齧りながら太宰を見る。
『判んねぇ』
「だから、本当は浪人か無宿人の類だろう?」
「違うよ。此の件では、私は嘘など吐かない。うふふ、降参かな?じゃ、此処の払いは宜しく。ご馳走様〜」
「あっ」
太宰は「うずまき」を出て行った。
『お天道様に顔向け出来ない職業だったりしてな』
「太宰がか?真逆」
もう一度林檎を齧ると、谷崎君の携帯が鳴る。
「はい。_______え、依頼ですか?」
.
場所は変わり、武装探偵社。
其の前に俺達はいた。
「えーと、調査のご依頼だとか。それで…」
「_______美しい。睡蓮の花の如き果敢なく可憐なお嬢さんだ」
「へっ!?」
太宰が金髪の女性の前に跪き、手を取った。
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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね?BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです!楽しみに待ってます(`・ω・´)頑張ってください! (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:曉 x他1人 | 作成日時:2017年1月9日 23時