拾肆話 或る爆弾 ページ16
朝日が窓から差し込んで、俺は目が覚めた。
夢の中で久し振りに、自分の異能力と話をした気がする。
だから俺は、彼奴を「異能力」とも云わない。
彼奴を俺の「異能力」とも認めないんだ。
俺の何処を気に入って引っ付いてんのか知らねぇけど、俺にとってははた迷惑である。
呼べば直ぐ出て来るけど呼びたくもない。
彼奴は「異能力」であって「異能力」じゃない。
彼奴にはちゃんと彼奴の、「異能力」があるのだから。
『胸糞悪い』
ぼそり、出た言葉。
まるで其れをかき消すように部屋に鳴り響いたのは自分の携帯電話。
慣れた手付きで釦を押し、耳に当てた。
『もしもし』
「あ、おはよう。A君。新しい下宿寮はどうだい？」
電話の主は太宰治。
昨日、俺と敦を探偵社員にするとほざいていた男だ。
だがしかし、彼のお陰で衣食住のうち、住処が確保出来たので少しだけ感謝している。
『どうも何も、雨風凌げて良い場所だ。布団もあるし』
フェーヂャの所では大体ソファーで寝てたからな。
「其れは良かった。ところで、お願いがあるのだが」
『何』
「助けて、死,にそう」
電話を切らなかった俺は偉いと思う。
『其処何処』
溜息をつきつつ、居場所を尋ねた。
「下宿寮の前」
『首洗って待ってろ』
電話を一方的に切り、寝間着から私服に着替える。
『ふわぁ…』
欠伸をしながら外に出ると、ドラム缶の中に入っている太宰と其の前で唸っている敦がいた。
『お早う、敦。太宰も』
「お早う、A。此れ、朝の幻覚かなぁ？」
『もっかい寝たら目が覚める的な？』
「違う。こうした自 殺方法があると聞き早速試したのだ。が、苦しいばかりで一向に死,ねない」
『馬鹿じゃねぇの』
「腹に力を入れていないと徐々に嵌る。そろそろ限界」
「はあ……」
敦は納得しているような、してないような顔だ。
「でも、自 殺なんでしょう？其の儘行けば」
「苦しいのは嫌だ。当然だろ」
「なるほど」
『納得すんな、敦』
俺がドラム缶を蹴ってやると、其れは倒れ、太宰は出て来れた。
太宰を助けた後、俺達は街を歩いていた。
「同僚の方に、救援を求めなかったのですか？」
「求めたよ。でも私が「死,にそうなのだ」と助けを請うた時、なんと答えたと思う？」
『死,ねばいいじゃん』
「ご名答」
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匿名part2 - 浅間ってなんかハーフみたいで変 (2018年2月28日 21時) (
レス) id: 86c88d0ffc (このIDを非表示/違反報告)
赤影真未(プロフ) - 面白かったです!すぐに続編読みますね! (2017年10月19日 2時) (レス) id: 7f3c790d7e (このIDを非表示/違反報告)
夕月(プロフ) - 匿名さん» 申し訳ありません。まだその様なシーンを出していない為、忘れておりました。速攻で出しますのでご了承ください (2017年5月21日 19時) (レス) id: 5f9b98437e (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - これは同性愛ですよね？BLフラグを立てて下さい。違反の対象となります。 (2017年5月21日 19時) (レス) id: 8d53b1880e (このIDを非表示/違反報告)
マロンクリーム - 面白いです！楽しみに待ってます(｀・ω・´)頑張ってください！ (2017年5月20日 5時) (レス) id: 9f03df5593 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：曉 x他1人 | 作成日時：2017年1月9日 23時
